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パパの子育て体験記

パパの子育て体験記

理論派・実践派、各界の著名人が、それぞれの「男の子育て参加」実体験を率直に語ってくれました。
留守がちの父の後ろめたさか?4人の子どもに送りつ続けた絵葉書は8000枚

伊奈 かっぺい (青森放送副参事)

PROFILE(いな かっぺい)
 1947年青森県弘前市生まれ。68年青森短期大学卒業。青森放送入社。美術部、ラジオ・テレビのCMデレクター、ラジオ製作デレクターを経て、現在、報道制作局付副参事。この間、作家、詩人、イラストレーター、エッセイスト、作曲家、歌手、俳優などとしても活躍。自作詩の朗読カセット『笑ってお別れ 十三日の金曜日』、著作物『津軽弁・違る弁』ほか。ラジオCM制作などで受賞多数。

伊奈かっぺい

 現在、子どもが4人。「現在」と、あえて言わずとも4人もいれば田舎のサラリーマンとすれば十分だろうと思っている。

 長男17歳高校2年生。長女15歳中学3年生。次女11歳小学6年生。三女9歳小学3年生。

 かなりの晩婚だったもので、子どもたちもまだまだ小さい。定年過ぎても、しばらくは頑張らなくてはならないお父さんだ。

 サラリーマンのくせに妙な趣味があらぬ方向に動きだし、ちょうど長男が生まれたころから急に旅が多くなってしまった。

 多い時でひと月に20日、少なくとも月に半分は外泊となる。

 仕事であれ遊びであれ、旅行に出かけたお父さんならだれでも、旅先から絵葉書の1枚2枚を家庭や子どもに出すだろう―その思いで、長男が2歳の時に、旅先から1枚の葉書を出したのが、すべての始まりであった。

 もちろん字は読めない、絵だって理解しているとは思えない年ごろである。単なる親父の自己満足だけで旅先から手描きの絵葉書を出し続けた。

 子どもが2人になり絵葉書は2枚に、3人になり3枚、4人になり4枚。一泊したら必ず1人に1枚ずつ描く。

 10年目を期に、旅に出なくても描くと決めた。(決めなければ良かった・・・・・・)。

 いまでは、毎日4枚×365日。

 基本的に、カラーで本人の似顔絵付き。文字には総ルビ。イラスト描くなら色付きの方がきれいだろうし、お兄ちゃん宛の葉書を妹が読みたいときもあるだろうと総ルビ。

 つまり、お父さんは自分で自分の首を絞めて現在に至っている。

 毎日ともなると葉書の内容は何でもありと、これまた自分で決めた。

 留守中の子どもたちのエピソードはお母さんや本人から「取材」。旅で思ったこと、教えておきたいこと。旅に出かける前に交わした会話など。

 数日間、家を空けなければならないときは、子どもにべったりで「ネタ」を仕入れなければならない。必要以上に話し掛けたりして・・・・・・。

 わが家に届いた葉書―きちんと数えたことはないが恐らく8000枚は超えただろうか。

 それはそのまま、育児日記であり、旅の日記であり、表の消印は妻へのアリバイでもある―。

 いつまで続けるのかと、よく聞かれる。終わりは決めていない。お父さんが肉体的に描けなくなった時か、子どもにやめてほしいと言われる時までか。

 毎朝あるいは毎晩、子どもたちと一緒に食事ができるお父さんが理想の父親だろうか。

 それができぬ父親の後ろめたさだろうか。

 時に揺れる列車の中で、時に旅館の文机に向かい、時に旅先の公園のベンチで。時に夕食の後、子どもと手をつないで近所のポストへ。・・・・・・変なお父さんだろか。

資料:月刊こども未来

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