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パパの子育て体験記

パパの子育て体験記

理論派・実践派、各界の著名人が、それぞれの「男の子育て参加」実体験を率直に語ってくれました。
自分で考え答えを自分で見つけられる、自立した人間になってほしい

江川 達也 (漫画家)

PROFILE(えがわ たつや)
 1961年3月8日、名古屋市生まれ。愛知教育大学数学科卒業後、中学の数学科講師を経て、83年9月本宮プロダクションアシスタントに。84年3月『BE FREE』で漫画家デビュー。現在、『タケちゃんとパパ』『日露戦争物語〜天気晴朗ナレドモ浪高し』『源氏物語』『ONE ZERO NINE』ほかを連載中。

江川達也

 現在、小学校二年生の毅ちゃんは、自分が生まれたころから連載されている育児マンガを非常に面白がって見ています。締め切りが近づくとどんなことがあったっけ、と思い出しながら描き続けているのですが、それを読みながらげらげら笑ってます。

 作品を見るだけではなく、子どもは帰ってくれば、ぼくが家で仕事をしている姿を見ます。忙しいので、夕食後、仕事に向かおうとすると、二人とも「仕事行かないで〜。一緒に寝て〜」と言うことも多いですね。ある時は、お腹がすいて眠れないと言うので、落語のように、そばを食べるふりをしたり、お話をつくってパントマイムのようにやって見せたら受けてしまって、面白過ぎちゃうんですね、かえって二人とも目がさえちゃって・・・・・・。

 こんな具合で、作品を通しても、日常の生活の中でも、子どもたちにはぼくの姿が見えていると思います。子どもに対して、こうしようとか、ああしようというのはありません。自然となるようになっていくもの、親の姿が染み入っていくものだと思います。

 ぼくの母親は、ぼくに対して褒める教育というのをとことんやったんですね。北風というよりもむしろ太陽。でも、褒めることには意図があって、こうなってほしいと見返りを求めているような・・・・・・。褒められたいという欲求に対して暗黙の誘導があるのに、本人にはその自覚がなくて、子どもにとって幸せだと思い込んでいる・・・・・・。それは親のエゴでしかないのに、です。子どもにとっては、褒められることが目的になってしまって、本当の自分の姿を見失ってしまうことにもなりかねません。

 褒められようとして、学校でいい成績を取ろうとする、暗記して詰め込んで点数を上げる、いい点を取ったので褒めるという教育をしてると、ものを考えない人間になる・・・・・・。  実は、親の方が学問を吟味していくことが必要だと思うんです。例えば、何で数学なんかやるの?という問いに親自身が答えられなきゃまずい。与えられているものをうのみにするのでなく、自ら進んで勉強する、子どもにその姿を見せる、聞かれたときに的確な答えが言える、それで十分でしょう。そして、いずれ親はいなくなるんだから、自分で考えて自分で選んで、自分で的確な答えを出せる、自立した子どもにしなきゃいけないわけです。筋道立てて物事を考えられるようになれればどこに行っても通用する・・・・・・。

 ぼくは子どものころから、答えは自分で見つけるものと思ってきたし、自分のスピードで自分の価値基準で進んできた。収入がいいとか、みんなからいいなと言われたいとかいうことではなく、まわりから褒められもしない、収入も分からないが、自分の好きな仕事に就くのがいいと思ってきた。  子どもたちにも、自分は自分、答えを自分で見つけていける自立した人間になってほしいと思っています。(談)

資料:月刊こども未来

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