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パパの子育て体験記

パパの子育て体験記

理論派・実践派、各界の著名人が、それぞれの「男の子育て参加」実体験を率直に語ってくれました。
楽しいと精進する子ども。ダメを連発するより良い方向に誘導したい

富田 隆 (心理学者)

 1949年東京都生まれ。72年上智大学文学部教育学科心理学専攻卒。77年同大学大学院博士課程終了。同年、白百合女子大学文学部講師、82年同助教授。95年独立して心理コンサルタント業開始。99年駒沢女子大学人文学部教授。専門の認知心理学にとどまらず、あらゆる領域での深層心理に分析を加え、テレビ・出版などマスメディアでも幅広く活躍中。『恐怖の心理ゲーム』など著書多数。

富田隆

 ももが生まれた頃は、テレビや出版物など、メディアでの自分の仕事が増えた頃で、とにかく「忙しい最中に生まれた」という印象が強い。仕事の増加と考え合わせると「食い扶持を自分でもってきた」という感じもします。

 ラマーズ法を習い、少しでも家内の支えになろうと意気込んでいました。いよいよ出産というとき。彼女を病院に送っていくと、担当の先生から「長期戦ですから、いまのうちに休んでおいてください」と言われ、真に受けて、帰宅して眠ってしまいました。
 電話があって、再び病院に駆けつけてみると出産直後。これで、女房からはしばらく言われ続けました。「産むということは、一人でしなければいけないことだと、しみじみわかったわ」と。慧のときには、「一人で大丈夫。仕事に行ってください」と言われてしまいました。面目なかったですね。

 子どもが生まれてみると、友だちや子育て仲間のネットワークのありがたさを痛感しました。ももが使ったベビーベッドは、友人たちの家で何代にもわたって使われてきたもので、ところどころ添え木がしてあるような代物です。うちが最後かな、と思っていたら、さらに使ってくれる人がいました。着る物も然り。そんなところから、新しい友だちの輪が、どんどん広がっていった気がします。

 ももが一歳の誕生日を迎える前、ちょっと気になる症状があり、病院で診てもらい、しばらく入院したことがあります。しかし、一歳にもならないような子が親から引き離され、そのうえ一人でいろいろな検査や治療を受ける・・・・・・子どもの心には重荷であり、外傷体験(トラウマ=心に残るきず)になります。幸いにも、その後、ももは心身ともに健康に育ってくれましたが、このときはよくないことをしたと思っています。命を救うためには精神的なものは後回し―という理屈はわかりますが、どうも子どもの心の問題が置き去りにされているような気がします。

 そのももはいま、中学校で英語劇のクラブに入って、英語にも踊りにも一生懸命です。楽しいことには、子どもも精進するものです。小学校の頃はタレントになりたいとも言っていました。そんなときは、時代劇を見ながら「時代背景を知っていたほうがいい」などと、学校での勉強に結びつくように話しかけてきました。子どもたちが将来の夢を語るとき、一笑に付してつぶしにかかるのでなく、現実のいまの状況での努力目標にどう結び付けられるかが、親の役目だと思います。

 慧は縄跳びとバスケットのドリブルに夢中です。縄跳びでは連続して何回跳べるか、記録を伸ばすのに必死です。バスケではアニメの主人公になりきっているようです。
 そして二人でいるときは、だるま落としです。たまたま近くの民芸品店で見つけて買ったものですが、二人で「技」を研究し合って、カンカンカンカーンとやっています。テレビゲームにのめり込む子に頭を痛める家庭も多いのですが、ダメを連発するより、ほかの遊びに誘い込むほうがいいようです。

資料:月刊こども未来

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