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パパの子育て体験記

パパの子育て体験記

理論派・実践派、各界の著名人が、それぞれの「男の子育て参加」実体験を率直に語ってくれました。
2男1女の三つ子誕生!生まれ持った個性の違い、どんどんほめて伸ばしたい

刈屋 富士雄 (NHKアナウンサー)

PROFILE(かりや・ふじお)
1960年静岡県生まれ。83年NHK入局。スポーツアナウンサーとして、大相撲、陸上、体操、フィギュアスケート、競馬、バレーボールなどを担当。バルセロナ、アトランタ、長野、シドニー、ソレトレークのオリンピックでも実況中継を担当。また、NHKアナウンサー唯一の三つ子の父親として昨年度は、BS『発見!世界の子育て』のキャスターを担当、今年度は教育テレビ『教育フォーカス』のキャスターを務め、教育改革の課題や問題に取り組んでいる。

刈屋富士雄

 今年、そろって小学校に入学した三人が生まれたときは、それはうれしくてたまりませんでした。体温を逃がさないようにと銀紙にくるまれたわが子が「一人目、男の子です」の声とともに看護婦さんの腕に抱かれて保育器に連れて行かれるのをビデオに撮りながら、「二人目、女の子です」の声。
 妻が女の子を望んでいましたので、喜びもひとしお。実は、生まれるまで、一人だけ性別がどうしても分かりませんでした。エコー診断で、二人が男の子ということは分かっていたのですが、三人目を確認しようとすると、男の子二人が邪魔をするので、結局分からずじまいだったのです。

 最初の一年、私自身はかなり育児に参加したつもりでいました。三人いますから、もちろんおふろも三倍時間がかかるし、何もかもが三人分で、自分なりに頑張ってるな、と思ってるわけですよね。でも、一年くらいたったある日のこと、妻から「全然手伝ってくれない」と言われてがくぜん。
 自分ではやっていたつもりでしたが、二十四時間体制の妻の育児とはしょせん比べようもなく、私の周りの多くの父親も、一歳くらいまでの育児では同じように奥さんからこぼされていることを聞きました。

 そして思い返してみると、一歳くらいの、言葉によるコミュニケーションが取れない期間の育児というのは、愛情より技術が必要なんですね。赤ちゃんが望んでいるのは愛情よりも、「何をしてほしいか」ということを理解する技術なのですね。
 赤ちゃんが何を要求しているのか分からない、何をしてやっても泣きやまない、言うことを聞かない→愛情が感じられなくなる→面倒くさくなる→感情的に怒る、という悪循環だったような気がします。一歳までは、ひたすら我慢、赤ちゃんの欲求理解に努める必要があったな、と思っています。

 もう一つ、確信をもって言えることは、三人とも同じ親から、同じ時に同じように生まれてきても性格が違うということ。人間は生まれながらに性格があるということです。

 まだ本当に赤ちゃんの時に、両足を持って逆さまにしたことがあるんですね。その時、長男は片手だけぼくの服のすそをつかんでいる、長女は両手でがっちりつかんでいる、次男は両手をぶらぶらさせて楽しんでるんですね。一歳くらいの時には、三人を車に乗せてほんのちょっとの時間三人だけにしたら、長男は置いていかれたと思って泣いている。長女は買ってきたバナナを食べていてすでに二本目に突入。次男はここぞとばかり、運転席に座ってハンドルを握っている・・・・・・。

 生まれた時からそれぞれがもっている性格があって、親には責任はないんだなぁというのが実感です。親としてそれぞれの個性を伸ばしてやりたいと思うので、持ち味を存分に生かせるように、いまはどんどんほめているところです。それも、ほめている理由を理解できるようにコミュニケーションを図りながら。(談)

資料:月刊こども未来

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