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パパの子育て体験記

パパの子育て体験記

理論派・実践派、各界の著名人が、それぞれの「男の子育て参加」実体験を率直に語ってくれました。
伝えたい親の自信。親としての威厳で子どもの歯止めになりたい。

舞の海 秀平 (大相撲解説者)

PROFILE(まいのうみ しゅうへい)
本名・長尾秀平。1968年青森県生まれ。日本大学在学中に学生相撲でタイトルを獲得。90年出羽海部屋入門、幕下付出しで初土俵。91年新入幕。94年小結昇進(最高位)。角界最小の体格(170センチ、91キロ)ながら多彩な鋭い技で活躍。99年引退。幕内通算241勝287敗12休。技能賞5回。NHK大相撲解説者、タレント、帝京大学講師(スポーツ社会学)など、幅広く活躍中。

舞の海秀平

 結婚を考えていたころ、小錦関との一番で大けがをしてしまい、十両落ち。しかしどうしても幕内力士として結婚したかった。そんなとき、妻(当時、婚約者)や妻の二人の子どもたちの存在は大きかった。

 実は幕内をあきらめかけたような時期もあったが、「妻と子のために」と懸命にリハビリに励んだ。そして復帰後、再入幕を果たすことができた。まさに家族のおかげだと思っている。

 この二人の子どもたちとは、初めのうちお互いどう接していいのか分からない戸惑いがあった。しかし、一緒に暮らし始めて二年ほどたったある日、突然、「お父さん」と呼んでくれた。うれしいと同時に、親としての重い責任を感じた。

 親が子どもを育てるのは当たり前だが、このように子どものちょっとした言葉で、逆に親が成長させられている気がした。

 子育てで一番大切なのは、親が自信をもつこと。それは安心感として子どもに伝わる。親が不安げにしていると、子どもまでどこか落ち着かなくなってしまう。

 友だち感覚の付き合い方や子どものご機嫌うかがいをするような親が増えているが、自信をもって親としての威厳を示し、親は子どもより「上」であることを分からせるべきだ。古いと思われるかもしれないが、これがわが家の子育て。

 もう一つ、子どもには「怖い人」が必要だ。万一悪いことをしても、怖い人がいると歯止めが効くが、いない場合には取り返しのつかない事態にまで進んでしまう。この怖い人が父親。母親が父親を立てないような家庭では、逆に子どもが父親をばかにする。

 「怖い」といっても殴られるのが怖い、というだけでは子どもはついてこない。そこに「尊敬できる」が加わる必要がある。「怖いけれど尊敬できる人」だ。学生時代までの父親、相撲界での師匠と、そんな存在に恵まれた私は幸せだった。だから私もそんな父親を目指している。

 現役時代に比べ、仕事で家をあけることが多くなってしまったが、子どもたちとの会話の時間は大切にしている。長女は中学一年になり、話題も大人びてきたが、いつも「お父さんはこう思う」と、父親としての意見をはっきり言うようにしている。例え分からなくても、「そういえば、お父さん、こんなこと言ってたな」と覚えておいてくれればいい。

 子どもたちには、自分自身で本当にやりたいことを一つ見つけ、それに真剣に取り組んでほしい。下の二人(小学四年、三歳)は男の子。本人が望めば相撲を教えるが、プロになるのは反対だ。その反面、そんな親に歯向かってでも相撲界に飛び込んでいくような意思の強さがあればうれしい。そういう意味では親の言うことを聞いてほしくない。

 妻といつも話していることだが、子どもたちにはとにかく早く家を出てたくましく独り立ちしてほしい。お互いに独立した親子関係を築きたいと願っている。

資料:月刊こども未来

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