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パパの子育て体験記

パパの子育て体験記

理論派・実践派、各界の著名人が、それぞれの「男の子育て参加」実体験を率直に語ってくれました。
可能性を信じ、信頼感をもつことで、子どもの積極性は育つ。

ケント・ギルバート
(タレント、米カリフォルニア州弁護士)

PROFILE(ケント・ギルバート)
1952年米アイダホ州生まれ。70年ユタ州ブリガム・ヤング大学に入学し、1年後、宗教活動のために初来日。復学後、同大学院で経営学、法学を専攻、司法試験合格後の80年、企業の法律コンサルタントとして再来日。弁護士の傍ら、英会話学校経営、タレントとして活躍。主な著書に『ケントの面白大国日本!』『ボクが見た日本国憲法』など。

ケント・ギルバート

 ぼくの子育ての基本は、何といっても子どもへの信頼です。元々、ぼくは子どもを信頼し、いい子だという前提で子どもに向き合っています。

 長男が高校生のころだったでしょうか、友だちと泊りがけでスキー旅行に行きたいと言われたことがあります。長男は「大丈夫、友だちから悪影響を受けたりはしないから」と言うのです。ぼくは、「もちろんおまえが友だちから悪影響を受けるなんて思ってもいないけど、ぼくが心配しているのは、おまえがその友だちに良い影響を与えられるのかっていうことだ」と言うと、長男はびっくりした顔をしていました。

 自分が父親から疑われているのではなくて、期待されているんだと感じることで、うれしく思ったようです。こういったことが、受動的になるのではなく、積極的に物事に対して取り組もうという、彼の意欲につながっているのではないかと思います。

 このような信頼感をもつのは、子どもを同等の存在として尊重しているからです。子どもの可能性を信じているわけです。

 もちろん、幼児期にはしっかりしつけることも大切だと思います。基本的に人間としてやってはいけないこと、例えば、うそをつくこと、約束を破ること、犯罪を犯すことなどについては、厳しく確実に戒めました。日常生活の中で事あるごとに繰り返し繰り返し言ってやる、そしてそれがどのように大切なことかを子ども自身が納得するまで話すようにしました。

 その中でも、特に気を付けていたのは、子どもとのコミュニケーションを築くことです。そのためには子どもの側から話をさせることです。これはとても難しいことで、完全にできているという親がいたら賞をあげたいくらいですが、まず、子どもを責めないことです。

 例えば子どもが「今日学校に行きたくない」と言ったとしましょう。親は何と答えるでしょう。「どうして行かないの?」というケースが多いかもしれません。これは子どもを責める言葉です。それでは子どもは心を開きません。「あ、そう。学校行かないんだ」と、まず丸ごと受け止めることです。そうすると「うん。学校きらいだもん」「あ〜。学校きらいなんだ」「うん。先生優しくないし」「ふーん。先生優しくないんだ」という具合に、子どもが言うことを繰り返すことで、子どもの心を開かせるようにします。親の価値観や感情を先に言ってしまうと、子どもは心を閉ざしてしまいます。

 もし、どうしても我慢できないときは、「私はこう思う」というように、「あなたは〜」ではなく、「私は〜」と、冷静に親にも感情があって、どう感じるかということを伝えるようにしてきました。「おまえが学校に行かないと、私は心配だよ」といった具合です。

 いまでは、eメールなどで三人の子どもたちから相談されたり、話し合ったり、良い親子関係が築けていると思います。

資料:月刊こども未来

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