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パパの子育て体験記

パパの子育て体験記

理論派・実践派、各界の著名人が、それぞれの「男の子育て参加」実体験を率直に語ってくれました。
家族と大好きな子どもたち。精神の豊かさを幸せと感じ続けてほしい。

児玉 清 (俳優、書評家)

PROFILE(こだま きよし)
1934年東京都生まれ。58年学習院大学卒業。同年東宝映画と俳優専属契約。映画『戦場に流れる歌』などに出演後、67年からフリー。以後はNHK大河ドラマやTBS『日曜劇場』などテレビドラマ中心に活躍。現在はクイズ番組の司会のほか、テレビ・雑誌で書評を多く手掛ける。

児玉 清

 娘は幼稚園のころから、先生の言うことを聞かず、とにかく勉強が嫌いでした。参観日で、親が子どもを転がして「いもむしゴロゴロ」をした時など、自分では転がろうとせず、「お父さんやって」と言い張ったほどです。

 いまはその娘の息子、すなわち「孫育て」で、子どもたちの時以上に孫にかかわっていますが、子どもは「怖いものがなくなった時に、とてつもないものになってしまう」とつくづく感じています。決して子どもに恐怖感を植え付けるということではありませんが、子どもを「支配」しないと、事の善し悪しは教えられないのではないでしょうか。娘にも一度だけ手を上げて強くしかったことがありましたが、していいことと悪いことの区別などは、厳しくしかって教え込む必要があります。

 一方、息子の方は、まったく手のかからない子で、中学・高校とバスケットボールに夢中で、毎日生き生きと学校に通ってくれました。大学生になっても家族旅行に付いてきてくれて、しかも荷物は持ってくれるし・・・・・周りから不思議がられるほどでした。

 息子と家内の関係を「密接で直接的」とするなら、息子と私の関係は、”照れ”もあってか、「他人のような間接的」なものでしたが、知らぬ間に私を見ていて、いろいろなことを感じていたようです。例えば、私たち俳優の世界は、学歴は関係なく、最終的には徒手空挙、自分を飾るものなど何の役にも立たない世界なのです。そんな世界に生きてきた父親を見て育ったことが影響したのか、息子にも娘にも学歴とは違った次元の考え方が身に付いたようです。

 そんな息子が高校卒業時に俳優になりたがっているのを、担任の先生を通じて知った時には、ショックでした。自分が「入ってしまった」俳優のようなトリッキー(虚構的)な世界でなく、実体のある、着実な世界に進んでほしかったのです。しかし友人から「親父の生き方がいいと認めてくれたわけだから、喜ぶべきことだ」と言われ、「そんなものか」と思い直しました。ただ、現在はその問題も解決し、別の道を力強く歩んでいます。

 娘の「勉強嫌い」を除けば、子育てで苦労したことのない親思いな子どもたちです。家内にしても、私が夏休みもとれないようなとき、「(私以外の)三人でどこかへ行ってきたら」と言っても、「一緒でないとつまらない」と、行こうとしないのです。みんな、家族といることが好きな、家にいれば幸せ、という家族なのです。

 子どもたちには、「心が豊かになる、気持ちが浄化される−という機会をより多くもてる」、それが幸せだと思えるようになってほしい。物欲的ではなく、精神的な面で幸せを感じることができ、好きな人と一緒にいられること、きれいな風景に出会うことなどが幸せと感じられる、そんな人になってほしいのです。

資料:月刊こども未来

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