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どんな大人になろう どんなふうに子どもと育とう そうだ、本の力を借りよう!
専門書から実用書まで、保育の関連書をご紹介。さまざまなジャンルから参加している評者にも注目。
わが国における子ども家庭福祉の実践の新しい展開を促進することを目的とする一冊。

ホーム・ビジティングの挑戦 −イギリス・家庭滞在型の新しい子ども家庭福祉サービスの展開−

西郷泰之 著
八千代出版 (03-3262-0420)
定価1,200円(本体1,143円) 117ページ

表紙


 これからの子ども家庭福祉サービスのキーワード、それは「アウトリーチ(出前)」と「ホーム・ビジティング(滞在)」です。
 わが国の平成17年度の児童相談所で対応した児童虐待相談件数は3万4,472件です。この数字は、児童虐待防止法が施行された平成12年度の1万7,725件から実に2倍となっています。また、今日では「虐待死」から子どもを守るためにいかに「危機介入」していくのかということが課題になっています。しかし、虐待相談の中で「生命に危機あり」とする割合は数パーセントに過ぎず、約60%は「軽度虐待」「虐待の危惧あり」というものです。その背景の多くには、親の育児ストレス、育児不安、社会からの孤立というものがあります。
 これまでイギリスにおいても虐待対策は、子どもの生命や成長の危機に対する「危機介入」が主要課題でしたが、今日では「予防」にその戦略的焦点が移り、その具体的戦術の一つが家庭滞在型サービス「ホーム・ビジティング(Home Visiting)」ということです。本書は、その具体的サービスの実際を紹介しながら、イギリスにおける子ども家庭福祉サービスの社会的・制度的背景が説明されています。とくにその理念や各家庭のニーズにそったサービスメニュー(取り組み)、ボランティアを含めた支援者の研修システムは大変貴重な報告です。また、わが国の家庭滞在型サービスも紹介され、イギリスとの比較からわが国の課題が提示されています。今後のわが国の家庭滞在型サービスの視点は、家事機能の「肩代わり」をすることではなく、親と協働し、家庭の自立、親の子育てスキル・意欲の獲得をいかに支援していくのかということです。

(評・立正大学社会福祉学部助教授 大竹 智)
資料:月刊こども未来 2007年3月号より転載
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