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「次世代育成支援の現状と展望」−少子社会への挑戦−

岩渕 勝好 著
中央法規出版 (03-3379-3861)
定価2,730円 (本体2,600円) 214ページ

表紙


 長年、少子化問題に取り組んだ著者は、広範囲な資料をもとに、少子化対策がかなり以前からさまざまな要素を含む課題であったことを示しています。先ごろ発表された平成15年度の合計特殊出生率は、著者の予想通り1.3を下回る結果となりました。政府をはじめ国民は、問題の緊急性を十分に認識しないまま、現況を迎えてしまったのではないでしょうか。この書を読み、国民一人ひとりの次世代への責任を強く感じずにはいられません。
 しかしこの書は次世代への不安をかき立てるだけではありません。平成17年度から義務化される大企業および市町村の「次世代育成支援行動計画策定」に向けての手法が、数多く示されています。例えば女性が子どもを産み育て、かつ働きやすい職場のあるべき姿を具体的事例で紹介したり、出生率が回復している市町村から特色ある取り組みなどを報告しています。さらに過去の少子化対策を振り返りその成果を鋭く評価し、支援の鍵を握るのは職場や地域住民であることを主張します。
 この書は、今まさに行動計画策定にかかわる行政や企業に従事する方々にはもちろんのこと、これから母親・父親になろうとしている人々にも多くの示唆を与える1冊だと思います。

(評・鎌倉女子大学児童学部助教授 小泉 裕子)
資料:月刊こども未来
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