子育て支援BOOKS
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表題からすると、NPO法人彩(さい)の子ネットワークの共同代表である著者が、母親たちと子育てをみんなのものにするために取り組んだ活動の歩みのルポルタージュが浮かびます。でも読んでみると、変な言い方ですが、そうだけれど、そうではありませんでした。
そうだけれど、というのは、母親からの声(声にならない涙もとまどいも含めて)を徹底して聞き取る活動が、たくさんの母親たちに、「つらいときはつらいと言っていいんだ」というメッセージを届け、その人たちがメッセージの発信者になっていくプロセスがそこここに描かれているからです。
でも、そうではないというのは、人と人の関係が、「してあげる―してもらう」という一方向的な関係にある限り、それは、どちら側に立つ人にとっても人間としての権利がないがしろにされている状態であることを、著者はきわめて明快に、真摯に述べているからです。母親たちがどんなまなざしに縛られ、傷つき、そして、子どもを傷つけたくないのにどうして虐待にまで及んでしまうのか、社会のありようから、まっすぐに見つめるその姿勢は、私たちの日常に食い込んで、読む人を傍観者にしておかない力を持っています。自分のために丁寧に読みたい1冊です。
| (評・埼玉県立大学短期大学部保育学科教授 清水 玲子) |
資料:月刊こども未来
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