子育て支援BOOKS
|
|
|
本書は、著者が属している少子化世代 (1960年代以降生まれの世代)の視点から、少子化問題をもう一度論じ直した力作であるといえます。それは、ややもすると経済原理や国力の視点から論じられる少子化論ではなく、子どもの持つ価値を正面から見据える「生活」、「当事者」の視点に立ったもう一つの少子化論であるといえるでしょう。
著者は、本書の中で、子どもは人と人とをつなぎ、また、現在と未来とをつなぐ存在であり、そうした「つなぐ存在」である子どもを社会の中で生かし、支えていく政策こそがもう一つの少子化対策であると主張します。市場原理の外で子どもとかかわり、子どもとの時間を大切にし、そのことによって大人たち自身がより豊かになっていくことを大切にしたいと訴えています。しかも、それをただ感情的に訴えるのではなく、哲学、教育学その他のこれまでの知見や諸外国のシステム、実践を引き合いに出しつつ、極めて論理的に整理していきます。
著者自身も述べているごとく、本書は「子は鎹 (かすがい)」という事実を膨大な知見と資料を駆使しつつ明らかにしたものといえるでしょう。過度の競争や市場原理が人々を分断し、孤立化させていることに危機感を抱いている人に、ぜひ読んでもらいたい一冊だと思います。
資料:月刊こども未来
|
|