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<砂場>の再考から教育環境の問題点を探る

<砂場>と子ども

笠間 浩幸 著
東洋館出版社 (03-3253-8821) 
2,500円+税 202ページ

表紙


 近年子どもを取り巻く環境問題が、さまざまな視点で考え直されています。子どもたちが自然の中で思い切り遊ぶ体験が減少し、近所の公園からも彼らの声が聞こえなくなっていますが、子ども本来の姿を考えると悲しい現状です。この本は、このような状況下で、「<砂場>と子ども」の関係が希薄になってきた現状を問い直すものです。
 まず「初めての砂場はいつ、どこにできたのか」など、<砂場>の歴史を国内外にわたって取り上げ、読み手の興味を引き込みます。何気なく見ている<砂場>というものに先人たちはこれほどの思いを込めているのかと、目の覚める想いです。さらに著者は砂遊びを通した子どもの発達の可能性や、<砂場>がいかに子どもの居場所としての空間であり得るかを検討しています。最後に砂場の汚れと子どもの健康、維持管理の具体的アイデアなど、<砂場>を子どもたちに取り戻すための明快な提案をしています。この本を読み終えて、私たち大人は今すぐにでも子どもたちの育つ環境を見つめ直さなければならないという想いがこみ上げます。子どもたちの遊び込むエネルギーが出来合いの遊具で満たされてしまいがちな時代だからこそ、<砂場>をはじめとする“オープンエンド”の遊び素材の重要性が注目されるべきなのです。

(評・鎌倉女子大学児童学部助教授 小泉裕子)
資料:月刊こども未来
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