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育児を「共有」する先駆者パパの語り本

「育休父さん」の成長日誌

朝日新聞社 編
朝日新聞社 (03-3545-0131)
1,400円+税 272ページ

表紙


 男性の育児休業取得率現在0.42%。本書ではこの1,000人に4人という、育児休業を取った珍しい男性6人が、子育てについて自らの言葉で語るという構成になっています。
 もはや右肩上がりの経済成長の時代ではない、競争ではなくもっと優しい社会を考えるべきだと訴える男性や、子育てを通じてバリアフリー、排気ガス、食品添加物などの地域や環境の問題を強く意識するようになった男性が登場します。妻と役割を交替することで夫が妻の気持ちを理解し、夫婦のきずなが強まっていく様子などは、感動的でもあります。
 一方で、数ヶ月の育児休業後は、子どもの病気でどちらが休むか夫婦間でスケジュール調整の激烈な戦いがあったり、海外への単身赴任で子どもと過ごしたくてもそれがかなわないなど、現実的には仕事と子育ての調和が困難である様子も垣間見えます。
 育児を「分担」でなく「共有」と考える男性など、自分で子育てをやりたいという強い思いをもち、それを実行に移す男性の存在は、女性だけでなく、男性の子育てに対する考え方も多様化へ向かっていることを示しています。子育てについては、次第に男性と女性という対立軸では語りにくくなり、企業・経済成長と家庭・環境問題といった対立軸での議論へと移っていくことを予感させます。

(評・日本総合研究所研究員 池本美香)
資料:月刊こども未来

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