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門脇氏は本書において、「社会を作り、作った社会を運営しつつ、その社会を絶えず作り変えていくために必要な資質や能力」を「社会力」と定義しています。いまの子どもや若者に欠けているのは、"社会性"ではなくて"社会力"、つまり「社会に適応する力」ではなく「社会を作り変革していく力」ではないか、との指摘は重要です。
1960年代頃からの家電製品の普及、核家族化などで家庭における共同作業の機会は大きく減り、学校生活の共同性も偏差値の導入などで失われていきました。こうして"社会力"を身につける機会がないまま大人になった世代が、いま親になっています。お互いに無関心で、同じ社会に住みながら人々がお互いに何のつながりも関心ももたず、自分の利益と関心だけにこだわって生きているとしたら、まず社会がよくなることはあり得ないでしょう。
漢字が読めるとか、絵が上手であるとか、学校の成績がいいといったことは、ヒトの子が社会力のある人間になることの重要性に比べたら、どうでもいいことだと門脇氏は言います。若い世代の社会力をどう育てるか、冒険遊び場の具体的事例なども含まれており、家庭や教育について考えるうえで、新しい貴重な視点を与えてくれる一冊です。
(評・さくら総合研究所 環境・高齢社会研究センター主任研究員 池本 美香)
資料:月刊こども未来
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