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読み物

親子の
コミュニケーション

親子のコミュニケーション

そばにいるだけではわかりにくい、お互いの心の中。親子のコミュニケーションづくりにどんな工夫をしているか聞いてみました。


子どもと「同じ目線」で物事を
見て「待つ」ことが大切
奥山 佳恵
奥山 佳恵さん
(女優)


PROFILE(おくやま よしえ)
 東京都生まれ。映画『喜多郎の十五少年漂流記』でデビュー。第16回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。2002年に結婚、長男の空良(そら)くんを出産。NHK「すくすく子育て」にレギュラーとして出演。現在、女優、タレントとして幅広く活躍している。『Baby-mo』で記事を連載中。
子育ては人生修業の場
 息子の空良は今三歳半。子どもとはいえ、一人の人間として、誠実に向き合っていきたいと思っています。だから、いい加減なことはできません。自分が人からされたら嫌だなと思うことは、子どもに対してもなるべくしない。例えば「これをしたら好きなビデオ見せてあげる」というようなごほうびの約束をした場合、もし彼が忘れてしまったとしても約束を破らないよう気をつけています。
 そして「同じ目線」で物事を見ることも大切だと思います。親の目線で見ていると先回りして答えを出してしまったり、段取りで物事を進めてしまったりしがちです。
 しかし、子どもにとって、自分自身で感じて、自分自身で答えを見つけたり改善したりしていく、これが一番だと思うんです。
 生活が忙しくなると天気がいいから先に洗濯をして……などと段取りを優先しがち。ついこの前も私だけで行けば三分で行ける近所のスーパーに、空良と一緒に出かけて三十分。落ち葉がくるくる回りながら落ちてくるのが面白いと、一枚一枚立ち止まってやっとお買い物ということがありました。
 「この状況で何が最も必要なことか」と、常に考え方の組み立て直しが迫られます。先回りして手を出すのは簡単ですが、じっと待つのは努力が求められます。子育ては人生修業の場ですね(笑)。
自然な愛情表現を大切にする
 空良は主人のことをしばらく「ママ」と呼んでいました。きっと、二人ママがいるように見えたんだろうと思います。主人がチーズクリームパスタを作ってくれたとき、食べている最中に空良が寝てしまったんですね。私が寝かせようとした横で「そんなに眠いのなら、トマト味にしようか?」と空良に話している。おなかいっぱい食べてどんどん大きくなって欲しいという主人の自然な愛情表現は大切なコミュニケーション。これが空良の笑顔を生んでいるのだと思います。
 最近は言葉でのコミュニケーションも取れるようになってきました。空気を読み、気を遣い始めています。空良が遊んでいる最中に急いで外出したいことがあり、「もうこれ以上は遊べない」と真顔でお願いしたときのことです。空良は黙って小指を差し出してきて、「これで最後にする」と涙をためながら言いました。分かってきたのかな〜とも思いましたが、一回遊んだら、また小指を差し出して涙をためているので、ウ〜ム、作戦かな(笑)。外出してからも「手を握ってて」と言う。自分からママの気持ちが離れてしまったのでは、というような不安が、息子の顔には表れていました。
 少し前までは一方的に自己主張するだけだった子が、私の気持ちまで察するようになったのかとちょっと感動しました。確実に子どもは成長していていろいろなことを感じています。
 三年前に湘南に越して以来、海というとんでもない大自然の前では、人は心の壁を持たないのだなと実感しています。息子も大自然の中で伸び伸びすくすく育っています。家族という枠の中だけでなく、地域という新しいコミュニケーションの場で、子育ち・子育ての気持ちのいい風が吹いているのを感じます。 (談)

資料:月刊こども未来


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