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親子の
コミュニケーション

親子のコミュニケーション

そばにいるだけではわかりにくい、お互いの心の中。親子のコミュニケーションづくりにどんな工夫をしているか聞いてみました。


夫婦で十分話し合って心を通わせることが
親子のコミュニケーションのベースになる
早見 優さん
早見 優さん
(歌手)


PROFILE(はやみ ゆう)
 3歳から14歳までグアム、ハワイで過ごし、現地で日本の芸能プロダクションにスカウトされたのをきっかけに'82年歌手デビュー。'90年上智大学卒業。現在は歌のほかに舞台やCMなど幅広い分野で活躍している。また、ジャズシンガーの父親、井上良氏とのジョイントライヴの開催や2人のコラボレイトアルバムもリリース。2女の母。
「爆発する前に話し合おうね」
 親子のコミュニケーションを考えるときに大事なのは、親子の前に”夫婦”の間のコミュニケーションだと思います。子どもができると子ども中心の生活になってしまって、夫婦の間で相手の目を見て話すことがなくなっていくことが多いですよね。実際には夫婦は男と女なのに、相手を一人の男性女性として見なくなったり、一人の人間としてよりもパパママという立場で話すようになったりしがちです。私たち夫婦は、例えば子育てへの参加が少ないと感じる、というような不満も率直に話します。彼の仕事が忙しくて話ができなくなった場合には、「一時間でもいいから時間を取って」というようなメールを送ることもあります。
 結婚当初、不満があっても言わずに我慢して、しばらくしてから爆発ということがありました。けんかにこそなりませんでしたけれど、彼から、「爆発する前に話し合おうね」と提案されました。それが結婚してからの夫婦の決め事です。一緒に生活していても、お互いに思いやりが必要ですよね。夫婦で十分話し合って相手と心を通わせることは、親子のコミュニケーションのベースになるものだと思います。彼が疲れているなと思うときには、「マッサージに行って来れば」「車洗ったら」と声を掛けます。車を洗っているとストレスが発散できるみたいです(笑)。
子どもの感情をくみ上げる

 子どもたちが今何をしたいか、何を言いたいか、何を感じているかを理解し、それを素直に表現できる環境をつくること、これも親子のコミュニケーションを深める上で大切なことではないでしょうか。
 子どもができる前、私はかなりの計画魔で、分刻みで動くことを考えていました。それが、子どもがいるとそうはいかない。泣いてぐずられたら、そこでストップせざるを得ないんですね。でも振り返ってみると、スムーズに行動できない時間がとても大切だということに気付いたんです。近所の公園にお散歩に行くのにも、車を避けてちょっと遠回りしてみるようになる。すると、緑の多さに気付いたり、街の音を感じたり、自分の環境が大きく変化します。今まで住んでいた同じ街なのですが、子どもがいることで大きく変わりましたね。また、ある時、長女が急に笑い出したので「どうしたの?」と聞いたら、「ママ、心が笑えって言ったの」との答え。そういう一つ一つが面白くもあり、感動でもある。大人になって忘れてしまっていた感じる心、好奇心といったものを刺激してもらっているような気がします。
 こんなこともありました。公園に連れていって、私はブランコに乗せたい。でも娘たちは入り口のアリさんが気になって十分も二十分も動かない。「ブランコ乗らないの?」と声を掛けると、「ママ、アリさんたちどこに行くんだろ」と、じっと見続けている。そう言われてみれば、と私も一緒になってアリさん観察。すると、本当に面白い。自然の中のサイクル、仕組みを気付かせてくれる……。子どもの時に味わっていた余裕の時間、大人になって忘れていた時間が、親子のコミュニケーションを通して返ってくるんですね。 (談)

 

資料:月刊こども未来


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