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親子の
コミュニケーション

親子のコミュニケーション

そばにいるだけではわかりにくい、お互いの心の中。親子のコミュニケーションづくりにどんな工夫をしているか聞いてみました。


自然体で伝える好きなものは好き、嫌いなものは嫌い―ごくシンプルで忘れがちなコミュニケーション術
松久 淳さん
松久 淳さん
(作家)


PROFILE(まつひさ あつし)
 1968年東京生まれ。上智大学卒業。著書に『男の出産』『ヤング晩年』『天国の本屋〜恋火』『ラブコメ』ほか。最新刊は『ウォーターマン』。共著、編集本も多数。
大切なものが何か迷わない
  「親子のコミュニケーション」と聞いて、まず感じるのは、「こうしましょう」とか、「一般的にはこうだ」と、私は言えないということです。
私自身、「親というものは……」なんて言われたことよりも、先輩からのアドバイスで役に立ったのは、夜泣きがひどいときに、「家ではこうやって縦に抱いてあやすと治まった」というふうな、至極個人的で具体的なものでした。精神論は後から自分で見つけるものなんじゃないでしょうか。
 好きで可愛くてたまらない、これが“私にとっての私の子ども”です。いくら抱きしめても抱きしめ足りず、どんなに二日酔いがひどくても、やっぱり保育園へお迎えに行きたくなる。「会いたい!」んです。正直、「親としての自覚」なんていまだにないかも(笑)。
 夕方五時に保育園へお迎えに行ってから十時までずっと一緒。この時間帯を子どものために空けるのは、職業柄から言えば大変ですが、仕事より大事だからしょうがない。言ってしまえば、私にとって、子どもは“教祖様”。
 でも、一生は続きません。もちろん一生好きだし、愛するんだろうけど、教祖様なのは期限付き。ひげの生えてきている子どもにスリスリするのはおかしいでしょう(笑)。その時はこっちから教団を脱退するわけです。そしていまのところ仕事は第二教団。
 それでも、この子煩悩はもうあと五年ないでしょうね。
 すでに食い違いは始まっています。抱きしめすぎて「父ちゃん早く仕事行きなよ」と言われることもしばしば。すごい好き、とにかく好き、ちっちゃくて可愛くてとこちらは思いますが、抱きつくと「何すんだ〜、やめろ〜暑い〜」と逃げられる。若いときの失恋を思いだして、それよりつらいなと思うくらいつらい。息子はものすごいマザコンなんですが、私はすごく妻に嫉妬してますよ(笑)。

親子ならではの感覚を大事に
 最近、息子はお勉強に目覚め、算数にはまっています。やりたいならやれば、という感じですが、でも、子どもが本当にやりたいことなのか、好きなことなのか、ということについては意識して注目しています。それが分からなくなっちゃうとまずいと思うんです。
 子どもが仮面ライダーにはまったときは、私はそれ以上にはまりました。でも「遊戯王は面白くないから父ちゃんは見ない」とはっきり伝えてもいます。もう、子ども以上に発想が子どもなんですよ。
 子どもの好きなものに無理して合わせたり、頭ごなしに否定するのでなく、親も自然体で好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと言う。しつけに関しても、「父ちゃんは犬食いはかっこいいと思うぞ。でも迷いばしは、すげー嫌いだから、やったら怒るからな」って、たぶんこれ、完全に「親として」は間違ってますよね(笑)。
 でも「社会的には」、と大上段に構えたコミュニケーションだと、どうしても自分がしっくりこないんです。まあ「特殊例」ということで聞き流していただければ(笑)。 (談)
 

資料:月刊こども未来


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