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親子の
コミュニケーション

親子のコミュニケーション

そばにいるだけではわかりにくい、お互いの心の中。親子のコミュニケーションづくりにどんな工夫をしているか聞いてみました。


一人ひとりの子どもの成長に合わせてコミュニケーション方法を進化させる
中井 貴惠さん
中井 貴惠さん
(女優)


PROFILE(なかい きえ)
 1957年東京都生まれ。78年早稲田大学文学部在学中、市川昆監督の映画『女王蜂』のヒロインでデビュー。TVドラマ、CF、タレントとしても活躍。数々のエッセーやコラムを発表するなど執筆活動でも活躍中。98年より大型絵本を使った読み聞かせボランティア「大人と子どものための読みきかせの会」を発足させ、各地の幼稚園や小学校で年間100回以上の読み聞かせを行っている。2女の母。
親は接し方の工夫が必要
  親と子のコミュニケーションの重要性が、最近とみにクローズアップされるようになってきました。私は、親子のコミュニケーションは漫然と行っていてもうまくいくとは限らない、一人ひとりの子どもに合わせて接し方を「進化させていく」必要がある、と思います。同じ子どもでも、小学校、中学校、高校と成長していく中でさまざまなことを経験しながら学び変化していきます。また子どもは一人ひとり個性が違います。子どもの成長・個性に合わせてのコミュニケーションの工夫が、親には求められるのではないでしょうか。
  例えば私の家でも、こんなことがありました。子どもが小学生のころ「A子ちゃんのお父さんお母さんはいいな。優しくて『○○してもいいわよ』って言うんだよ」と訴えてきたとき、「でも、ウチではそれはダメ」とこちらも曲げませんでした。小学生の娘に対するしつけです。その一方で、高校生になった娘には少々手を変えて接しました。「お母さんはどう思う? 〜してもいいと思う?」と聞いて来たとき、親が答えを出すのではなく、会話のキャッチボールの中で子ども自身が答えを見つけるように、「自分で考えなさい」と言ったこともありました。
  子どもがある程度成長してからは、私の方から子どもに「読み聞かせでこういうことを言われたんだけど、どう思う?」と泣き言を言ってみることもあります。解決方法を探るわけではなく、親が何をどう感じているか、子どもが何をどう考えているのか、お互いに深いところを知り合う、その過程がよいコミュニケーションになるのではないかと思っています。

真剣な子育てには厳しさが伴う
 わが家には『絶対にうそをついてはダメ』という暗黙のルールがあります。私自身、母に対して絶対うそはつけません。うそをついて母を怒らせることは母を悲しませることだと感じていましたし、それだけはしてはいけないとも思っていました。そして、周りの人からの愛情を無視した言動は絶対に許さないというルールもあります。
 娘が中一の時に、私の留守電に娘から「〜だよね。ば〜か」と入っていたのを聞き、あなたに一生懸命愛情を注いで、親だけでなく周りの多くの人があなたを大事にしてきているのに、親に向かってそんなことを言うとはなんてことだ。そんな子に育てたつもりはない、と本当に真剣に怒りました。親がどれだけ真剣か、こういうときにどういう態度を取るか、コミュニケーションに厳しさが伴う場合もあると思います。
 最近、娘が「お父さんはすごくうるさいけど、けっこう当たってることもあるんだよね」と言ったことがありました。父親はおはしの上げ下ろし、テレビを見る時間などについてかなり厳しいのですが、この子はこの子なりに頭のどこかにとどめて聞いていたのだなと、新たな発見をした思いでした。親子のコミュニケーションには、「いくら言ってもダメだ」と諦めてしまうのではなく、忍耐強く真剣に言い続けねばならないこともあるのではないでしょうか。 (談)
 

資料:月刊こども未来


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