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親子の
コミュニケーション

親子のコミュニケーション

そばにいるだけではわかりにくい、お互いの心の中。親子のコミュニケーションづくりにどんな工夫をしているか聞いてみました。


“家庭の味”が築く正しい連鎖 −食を通じたコミュニケーション
三國 清三さん
三國 清三さん
(料理人)


PROFILE(みくに きよみ)
 1954年、北海道増毛町に生まれ、15歳で料理人を志して札幌グランドホテル、帝国ホテルで修業。74年駐スイス日本大使館の料理長に就任。三つ星レストランで修業を重ね83年帰国。85年東京・四谷にフランス料理店を開店。00年九州・沖縄サミット福岡蔵相会合の総料理長に。03年フランス共和国農事功労賞・シュヴァリエを受ける。現在、子どもの食育活動やスローフード活動にも携わっている。
母がしてくれたことを
娘もまた……
  わが家には今年中学生になった娘が一人いますが、実は僕が作ったフランス料理を食べさせたことはないんです。本人が食べてみたいと言わないからなんですが、それより娘は母親の手料理がとにかく好きです。家庭の中でのコミュニケーションの基本には“食”がある、それは取りも直さず家庭の味、おふくろの味だと僕は思います。
 妻は、医師の家庭で育っていることもあって、娘のために離乳食からずっと手作りしてきました。幼稚園、小学校、中学校と毎日お弁当を作り続けています。前の日から準備をして、朝五時半か六時には作り始めます。それを娘はずっと見てきています。これは、言葉によらない、“食”を通じて母親が娘に何ものかを伝えるコミュニケーションですね。
 娘が将来、自分に子どもができたときも、母親にしてもらったことを覚えているだろうし、自分の子どもにも同じように接していく……。これは親が子に与える一番いい教育、身をもって教える教育だと思います。それこそ正しい連鎖です。後々娘が母親になったときに、母の大変さや、ありがたさが分かるんじゃないでしょうか。
  中学生になって、最近は友だちが泊まりに来たり、逆に友だちの家へ泊まりに行ったりと娘の社会が広がってきています。友だち関係の新しいコミュニケーションが始まっていますね。
 それでも、親子で何かを一緒にやることを娘は嫌がっているわけではありません。ベースに家族があって娘の世界が成立している、という時期です。
 小学生時代までは親子という枠組みの中で生活してきましたが、中学生になって周りの友だちに影響され、そのことから本人も新しい発見をしようとしています。私のお店についても、そういう視点で見ようとし始めています。娘とのコミュニケーションの中で、友だちが重要なファクターになってきていますね。

バランス感覚で
コミュニケーション
 妻はインスタントラーメンとかファストフードが嫌い、厳格なんです。僕はそうでもありません。娘を連れ出してファストフードを食べに行ったりすることもあるんですが、子育てにはそういうバランス感覚が必要だと思います。一方的にダメダメと言えば、禁止されたことへの欲求があこがれになってしまって、大人になったときに変になってしまう。それで、子どものときから少しずつ免疫をつけておくことも必要だと思っています。妻からは「しょっちゅうはダメよ」と言われていますけどね(笑)。
 最近では食事のとき、「ひじをついちゃダメ」とか、「背筋を伸ばして」とか母親に言われていることを娘は僕に言いますね。僕が一番だらしない。
 しつけに関して言えば、父親と母親の両方からパーフェクトを求めるのではなく、どちらかがバランスをとること、そういう中で親子の絶妙なコミュニケーションがとれるようになるんだと思います。 (談)
 

資料:月刊こども未来


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