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「男の子育て」、ご意見番

「男の子育て」、ご意見番

父親にとって「子育てにどう関わるか」は重要なテーマ 「男の子育て」について、父親、母親の立場から、男性と女性に「ご意見」を伺います


子ども時代には、子どもの時間を満喫させる。一緒にやる、一緒に見る、共通の思い出を充実させる
いっこく堂 (腹話術師)

PROFILE(いっこくどう)
 本名玉城一石、1963年生まれ。独学で腹話術を始め、98年OWARAIゴールドラッシュで優勝。時間差芸や人形を使わない腹話術“ボイスイリュージョン”が注目され、2000年ラスベガスで開催された『世界腹話術フェスティバル』でオープニングを飾る。 幼児向けのビデオやボイスイリュージョンのDVDなども多数発売中。

いっこく堂

びっくり仰天の立ち会い出産

 九歳の娘がいます。妻が妊娠していることが分かったのは結婚後六年目のことでした。もう赤ちゃんはできないかなとも感じ始めていたころに授かった子どもだったのでとてもうれしく、最初から立ち会おうと考えていました。区や病院などで行われる、父親学校・母親学級などは皆出席しました。産むのは母親ですが、父親となる僕もできることは何でもやろうと思っていましたし、興味もあったので、出産の立ち会いのためにスケジュールを調整し、生後一カ月くらいまでは育児最優先の生活でした。
 立ち会い出産では、かなりあわてました。いよいよこれから生まれるぞというときに、女の人が妻のおなかの上に乗ったんです。「えっ!死んじゃうよ」と、それはあわてました。おなかに乗っかって、ぐいぐい蹴っているように感じたんです。今考えれば、ただ押していただけなのかもしれませんけど、イメージとしては怖かったですね。生まれてきたときは、目がつり上がっていて、一体誰に似たの?と考え込むくらいでしたが、三日くらいで普通になりました。生まれてきてすぐ抱っこしましたが、最初はグニャグニャしていて怖い感じでした。でもその温もりは、自分の子どもというかわいさを伝えて、しみじみかわいいなと思いましたね。それからの一カ月くらいは家事も含めて、育児全般を担当してました。ミルクは全く飲まなかったので、夜中に起きておっぱいというのは母親しかできませんでしたけど、できることは全部やりました。
 仕事が忙しくなった二〜三歳のころは、一カ月家を空けることもざら、という時期がありましたが、それでも「初〜」はだいたい僕がやりました。初散歩、初スキップ、初縄跳び、初自転車……。教えたり、一生懸命練習したりと、あのときこうやったという記憶を共有できます。よく思春期にいったん親から離れるといわれますけれども、そういう時期も必要なんだと思います。
 自分の子はかわいくてめろめろ、親ばかというところはありませんし、割と冷静に見ている方だと思います。女の子だから嫁に行かせたくないという男親もいるようですけど、そんなふうに考えたことはありません。生きることに前向きな女性になってくれれば、それでいいと思います。基礎的な学力、社会生活に必要な学力は身に付けてほしいという希望はありますが、後は自分の選択でやってくれればいいと思います。

子どもの時期に、ちゃんと「子ども」をする

 一つ思うのは、子ども時代は子どもであることを大事にしてほしいということです。例えば、礼儀は大切ですよね。でも時と場合もあると思うんですよ。家に遊びに来る子でも、妙に敬語を使う子どもがいますが、よそよそしい感じがしますね。「これは何ですか?」と聞かれるよりも、「これ何ナノ〜?」と聞かれた方が親近感があって僕はかわいいと思うんです。子ども時代はフランク、無邪気でいいと思うんです。かといって、大人に向かって、「あのさ〜」などと娘が言っていたとしたらこれもどうかと思うんですが……。年齢相応の話し方が必要なんでしょうね。親としてはその辺を悩みつつではありますが、中学生くらいになったら話し方も変わればいいのかなと思います。相手との関係性もあるし……。
 「超何とかで〜」と言ってる子どもたちが親になる時代ですから、子どもにどう教えたらいいかなと悩みつつ、子どもらしさを大切にすることを第一に考えています。早くから敬語が使えたからといって大人になって成功するか、というと、そうでもない。子どもという時期(子どもらしい時期)を大事に過ごすことが成長過程では重要だと思います。

意識して子どもとかかわる

 今、子どもにまつわる問題が取りざたされていますけれど、責任は大人にありますよね。僕が子どものころは、夕飯時に友だちの家に「テレビ見せて!」と行くと、「あんたも、これ食べなさい」と、温かいご飯を食べさせてくれる。あちこちの友だちの家でいろんな関係が自然と築かれていきました。今は、子どもを取り巻く大人が意識して向き合う必要がありますね。忙しいからできない、ではなく、一緒に何かをやる。河原でバーベキューでも、一緒にスポーツを見に行くでもいい。共通の話題を作って会話もできます。家では、テレビを見るにしても、同じ番組を見ます。「見るな」ではなく、共に詳しくなれば会話の種になります。こんなに小さなことの積み重ねで家族はコミュニケーションを深めていくんですね。
 娘は物作りや絵を描くのが好きですが、「うまいね、これ自分で描いたの?」と、一生懸命やったことを認めてあげれば、それが励みとなって子どもは楽しんで物を作るようになっていきます。作文、習字、小さいときの落書き、何でもファイルしてあります。くだらない遊びでも取ってありますが、子どもの方も、そういう小さなことで大事にされていると感じるみたいですね。(談)

資料:月刊こども未来


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