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「男の子育て」、ご意見番

「男の子育て」、ご意見番

父親にとって「子育てにどう関わるか」は重要なテーマ 「男の子育て」について、父親、母親の立場から、男性と女性に「ご意見」を伺います


家族は「チーム」「ファミリー」。相談してPTA会長に就任
山本 シュウ (ラジオDJ)

PROFILE(やまもと しゅう)
 1964年大阪府門真市生まれ。「オンガクのDNA」「生でGONG×2」「POWER NUTS」「サタデーストーム」などでテレビ司会やDJとして活躍。小学館教育技術.net『ラジオDJ山本シュウの喰らえ!!レモン型 教育爆談!』も好評連載中(http://www.ed.shogakukan.co.jp/lemon/)。レモンさんというキャラクターのPTA会長であり、小学校6年生と2年生の2人の女の子の父親でもある。

山本 シュウ

三歳から人格をもった人間として扱う

 うちでは三歳の時から一人の人格をもった人間として扱おうと考えてきましたから、子どもには相談しなくていいとか、頭ごなしに命令するということはまずありません。
  長女が小学校二年生の時、PTA会長への誘いを受け、一度は断ったのですが、誰もいないからと説得されて、「子どもに相談するからちょっと待ってほしい」と、この時も二年生の娘に相談しました。「僕はあなたが大切、だからその周りのクラスメートも大切、ひいては学校も大切。だからPTAの会長に誰もなり手がないなら僕がやろうと思うけれど、目立つことをやるといじめられたりすることもあるかもしれない。そういうことも考えて、君は僕が引き受けることをどう思う?」。この問いかけに娘は「ちょっと待ってほしい」と部屋に閉じこもり、十五分して出てくると「してもいいよ。ただし一つ条件がある。かっこよくやってね」という答え。カッコつけてやるのでなく、がむしゃらに一生懸命やっている裸の姿を見せることを条件につけての承諾でした。こんなふうにして相談することはわが家の日常です。
  「PTAって何するの?」という基本的なことをインパクトのある仕方で子どもたちに伝えられるようにと、レモンさんというかぶり物をかぶってみました。その後三カ月くらいすると、PTA会長をやっているレモンさんの娘だということがばれて娘は「小レモン」と呼ばれるようになりました。やり始めた親の責任でもあるので、娘に学校での様子を時折尋ねましたが「全然平気」と返ってきます。そのころ、夏休みのラジオ体操用に、「レモンさん体操」を作ったのですが、それなら「小レモン」を逆手にとってしまえとばかり、小レモン隊なる、レモンブレスレットをつけた振り付けを教える役を作りました。すると小レモン隊が人気になりました。
  PTAが子どもたちにもっともっと身近な存在でなければならないとも思うし、子どもたちも地域の人たちが守ってくれている、先生やPTAの人、みんなが子どもたちのために努力しているんだということを知る必要があると思うのです。

子どもに理解できる言葉で説明

 僕は仕事柄でもありますが、頭ごなしに言うのでなく、どうしたら子どもに大人の理屈を教えられるかをいつも考えています。三歳の子どもが分かる言葉に翻訳して話す、それには一つ一つ例を挙げて分かりやすい例えに置き換えるのが効果的ですね。説明することが必要なのにそれが面倒くさいから「あほ!」と怒鳴りつけるだけになってしまっています。さらに言えば、家族というチーム、ファミリーの中での役割分担を常に意識していますから、子どもであっても一個人として家族の会議に参加する、もちろん全員が意見を言うというのが習慣になっています。三歳の時から意見を持たないといけないわけです。
  僕が間違っていれば「パパ、まだ手を洗ってないんじゃない! かっこ悪い」と、注意されることもあります。大人がやることをやっていないと説得力がありませんから、つっこまれたりもするわけです。

「かっこいい、かっこ悪い」

 子どもたちの人格を尊重して意見を言わせてきたのと同時に、いいこと悪いことの判断が必要なとき、わが家でよく使われてきた言葉が「かっこいい、かっこ悪い」です。例えば「いじめはかっこ悪い」。それに世の中、お母さんが掃除洗濯して当たり前、ご飯作って当たり前、という知らず知らずの“当たり前”がまん延してますが、本当はそうじゃないということ、つまり、当たり前は当たり前じゃないということを日常の中で言い続けてきました。
  ご飯を作ってくれるお母さんは当たり前じゃない。感謝しないといけないし、ご飯作ってもらったら後片づけするのは感謝の気持ち。そのことに気が付かなかったり、間違ってるときには、「かっこ悪い」が出ます。
  「ご飯の後、片づけないのはかっこ悪いんじゃない?」。日常の生活の中で、しかも子どもの分かる言葉で、体に染みついてきたのが「かっこいい」であり、「かっこ悪い」なんだと思いますね。
  僕はおやじとおふくろから大きなプレゼントをもらってます。理屈っぽいことも仕事のことも全く言わないおやじにその理由を尋ねたら、「暗くなる話はしない方がいい、くよくよ考えても始まらないやろ」というスーパーポジティブ。家族への思いやりであふれた父親から貧乏でもこんなにハッピーになれるという姿を見せてもらいました。
  一方、おふくろはとにかく「かわいい、かわいい」と抱きしめる人で、目の中に入れても痛くないとはこのこと、あなたのためなら死ねるという、おふくろから知らず知らずのうちに愛されているという確証、安心をもらっていました。言葉ではない「かっこいい、かっこ悪い」をもらっていたのかもしれませんね。(談)

資料:月刊こども未来


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