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「男の子育て」、ご意見番

「男の子育て」、ご意見番

父親にとって「子育てにどう関わるか」は重要なテーマ 「男の子育て」について、父親、母親の立場から、男性と女性に「ご意見」を伺います


子育ては男性にとっても元気の素(もと)父親自身が楽しめることを通して「任せきる」
好本 惠 (フリーアナウンサー)

PROFILE(よしもと めぐみ)
 1976年NHK入局。81年フリ−に。92年より教育テレビ『すくすく赤ちゃん』を7年間担当。現在『NHK俳壇』『ペット相談』の司会、早稲田大学やNHK文化センターの講師を務める。対談集に『ハッピーチャイルドに育てる19の知恵』 (NHK出版)がある。

好本 惠

 子どもがまだ誰かに頼らないと生きていけないという時期に、困ったら、二時間でも三時間でもお父さんにしか頼れない時間があると父子の関係が育つような気がしています。わが家ではこんなことがありました。上の子が十カ月のころ、職場に復帰していた私は、どうしても半日すべてを夫に託して家を空けなければならなかったのです。家に帰ると紙おむつが積み上げてあって、「これだけ替えた!」と、差し出すんです(笑)。その後も、出張に行かざるを得ないことがあったりで、私は「やむにやまれぬ事情」と呼んでいるのですが、子どもが頼るのは自分しかいないという時間を夫が持つことで、成長してからの親子関係も築かれている気がします。

 いま、下の娘は中二ですから、一般的にはお父さんと一緒に出掛けるのはいやという年ごろでしょうけど、父親と買い物に行くのが大好きです。若い恋人状態ですね。結果論ですけど、困ったときに一緒にいた時間があったからこそだと思います。そのころは、私が出張から帰るたびにペットが増えていました。お母さんが買ってくれそうもないものが出張するとどんどん増えていくんです……(笑)。

 「任せきる」には勇気も必要でしたし、子どもの行動パターンを書いたメモを残したり、さらには五時に帰れると思っても、五時半に帰ると話しておいて、話した時間より少しでも早く帰るなど、相手の気持ちを考えた気配りもしていたつもりです。また、父親自身の楽しめること、例えば趣味に引き込むなど、好きなことを通して子育てをしていくのもポイントだと思います。

 幼稚園のころによく行われる誕生会。お父さんが大変だからと平日にやってしまう方が多いのですが、わが家ではいつも夫のいる週末にしました。ある時、夫に誕生会のお返しのプレゼントを用意してもらったことがあります。これが面白い! 女親だとどうしてもかわいらしい鉛筆やノート、ということになってしまいますが、夫が選んできたのは、変装用のひげ付きめがねだとか、ブーブークッション……、思いがけないものが出てきて大受けです。また、夫対子どもたちで一対八のサッカーをしたこともあります。子どもたちはそれを本当に喜んでいました。ある年の誕生会は、スポーツセンターを借りて、私は三十数人分のお弁当を準備して持たせ、あとは夫に任せっきりということもありました。

 私自身、子どもと仕事はどうしても手離せない。両方とも、これなしには生きていけないほど面白いものです。男性にとっても子育てはビジネス社会とは違う人間らしい生活を取り戻せる元気の素になるもの。お父さんにはまず好きなものからやってもらう、お母さんは何とかしてやむにやまれぬ事情をつくって任せきる、そしてお母さんが赤ちゃんを抱っこし、その母子をお父さんが抱っこする(もちろんお父さんが赤ちゃんのそばにいる場合は逆になるわけですが)。その赤ちゃん家族をおじいちゃんやおばあちゃん、さらに地域の人が抱っこするという二重三重の抱っこをつくっていけるといいと思いますね。(談)

資料:月刊こども未来


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