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「男の子育て」、ご意見番

「男の子育て」、ご意見番

父親にとって「子育てにどう関わるか」は重要なテーマ 「男の子育て」について、父親、母親の立場から、男性と女性に「ご意見」を伺います


子どもとの「話し方」にひと工夫したい。「ダメ」を連発するとやがては親にはね返る
佐藤 正宏 (俳優)

PROFILE(さとう まさひろ)
 1958年山形県生まれ。劇団『ヴォードヴィルショー』を経て、84年『WAHAHA本舗』を設立し、座長。劇団全体としての公演ほか、個人でも舞台、映画、テレビ、ラジオ、CMなどで幅広く活躍中。劇団公演の最新作は、東京芸術劇場での『踊るショービジネス』。

佐藤 正宏

 この間、うれしいことがありました。二歳の珠子が母親にしかられているときのことです。四歳の宏太朗が「珠子は○○しようとしたんじゃないかな」と、妹に助け舟を出したのです。

 私自身、どんなことにもいろいろな見方があると考えており、人から頭ごなしに言われると「そうかな?」といった気持ちにもなります。そこで子どもに公共の場でのマナーを教えるときも、「○○しちゃダメ」といった全否定の言い方はせず、「こんなところで、○○したらつまんないよね?」といった話し掛けをしてきました。ダメ、ダメを連発していると、やがては親自身にはね返ってきて、追い詰められてしまうようにも感じていました。

 ちなみに、逆に、良いと思うことを勧めるときには、「○○したら面白そうだね」と言ってきました。

 こうした物の言い方が伝わったのか、まだ自分自身のことをよく伝えられない小さな妹に代わって、親とは違った見方をきちっと言えた宏太朗に、頼もしささえ感じました。ただ、これがあまり行き過ぎると、理屈ばかりが先行してしまいますので、それにはクギを刺しています。

 時間さえあれば子どもたちと一緒になってよく遊んでいますが、やはり子育てに関しては母親にはかないません。自分でもしかり方が下手だと思っているので、特にしかり役は母親です。その後のなだめ役が私です。“いいとこどり”とも言えそうですが、それでいまはうまくバランスがとれています。両親からしかられたのでは子どもの逃げ場がなく、「つまんない」ことになってしまいますから。
 父親がしかりもせず、甘やかすばかりでは、子どものタガがはずれてしまいます。そこで女房は私がいないときに、「お父さんは怒らせたら怖いからね」と言い含めているようで、これが効いているようです。地方公演で長期に家を空けることもある私には、こんなフォローは心強いですね。

 最近のお父さん、お母さんは「子育てが大変、大変」と言い過ぎるような気もしています。寒い、と言い始めると本当に寒くなるように、「大変」と言い始めると本当に大変になってしまうのではないでしょうか。私は四十歳を過ぎて父親になったためか、特に肩ひじ張らずに、心の底から子育てを楽しむことができ、苦労と感じたことはありません。年の功で、ちょっと引いたところから子育てができる余裕でしょうか。

 家族全員でワイワイ言いながら料理をしているときなど、何ものにも代えがたいひとときです。晩婚化が進んでいるそうですが、年をとってからの子育ては、体力面はともかく、気持ちの面ではまんざら悪いことでもなさそうです。

 宏太朗はすでに静かに芝居を見ることができるため、私の舞台も見せていますが、一緒にミュージカルなどにも行ったりしています。流れていた音楽はすぐに覚えてしまい、鋭い? 寸評も聞かせてくれます。

 子どものために頑張ろうという気負いとは違いますが、芝居でお客様に喜んでもらい、それを子どもがしっかり見ていてくれるのは、演劇人として、親として最高ですね。(談)

資料:月刊こども未来


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