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「男の子育て」、ご意見番

「男の子育て」、ご意見番

父親にとって「子育てにどう関わるか」は重要なテーマ 「男の子育て」について、父親、母親の立場から、男性と女性に「ご意見」を伺います


お互いの資質を尊重しあえる家庭、夫婦がきちんとつながっていることが大切。宇宙に漂う母子を、地球に引き戻せるのは父親
辰巳 渚
(作家、マーケティングプランナー)

PROFILE(たつみ なぎさ)
1965年生まれ。お茶の水女子大学卒業後、マーケティング雑誌記者を経てフリーのマーケティングプランナーとなる。画家のご主人と、保育所に通う寅彦ちゃんとの3人暮らし。ライフスタイル変遷の検証・分析を得意とする。モノ余り時代の新しい生活哲学を提唱し、豊かに楽しく生きるための方法を考え続けている。著書に『「捨てる」技術』『「暮らす!」技術』など多数。

辰巳渚さん 写真

 七月で五歳になる寅ちゃんは、今では喜びばかりを与えてくれている……。でも、生まれてからの三年間というもの、うちの子は私でなければダメで、しかも夜泣きの連続。下ろすと泣く、角度を変えると泣く……泣かれては抱っこしてあやすという繰り返しで、今思い返すと、作業量そのものを考えれば実際にはもっと夫がしていたでしょうけれど、感覚的には育児の八割方を、私がしているという感じでしたね。子育てについて人の話を聞き、「柱にでもくくりつけておけば家で仕事ができる」などと思っていたのは大きな間違いでした。 睡眠不足が続いて、気持ちの余裕もないという状態でしたから、実際には母と子の二人だけといった閉塞感を感じましたし、やり場のない感覚に陥りがちでした。

 言ってみれば宇宙に二人きりで漂っているという感覚になるのですね。父親の助けは、そういう意味では母親のために必要と言えますね。夫が、私のためにそこにいて、子育ての大変さを理解してくれる、私が泣きたい気分のときにはよしよししてくれる、そういうことが大切なんだと思います。

 お父さんは子どもの世話をしなくても、お母さんのために動いてくれる、ただそれだけでお母さんは、孤独じゃなくなり、「地球」に戻れる……。これはつまり、自分が責任を持って育てる人と、その人を周りで支える人、という感覚でしょうか。そういう意味で私は支えてもらったと思いますし、家を基本とする暮らしを、今、満喫していられるとも言えます。

 息子は三歳を境に、ほとんど夜泣きがなくなり、ずっと上り調子でかわいくなり続けています。本当に子どもはかわいい!子どもを持ったことでしか得られない豊かさを与えられていると同時に、「夫に対してもそこまでは持てないというくらいのこんなに豊かな愛情が、私の中に眠っていたんだ」「一人の人をこんなにも愛せる」ということに気付かせてもらいましたね。

 子どもも親も家で“暮らす”ことが大事なのだと思うんですね。家を基本として暮らすのが心地いいと感じるんです。

 「さあみんなで食べましょう」と呼びかけなくたって、自然にみんなが集まって食事をするという暮らしをしていきたいと思っていますし、今、現実にそんな暮らしをしています。

 そして家の基である夫婦がきちんとつながっている家庭、お互いの得意分野を認めて支えあえる家庭であることが大切なのだと思います。例えば、わが家では、夫はゴミがゴミ箱に七割くらい入っていると気になりますが、私は気になりません。そこで、気になる夫がゴミを片付けます。ですからここのところ私はゴミに触っていません(笑)。でも、モノが片付いていないと気になるのは私なので、片付けはほとんど私がするという具合に、お互いの資質を尊重して得意なことをやっています。

 そうしていくうちに結婚して八年たち、気が付いたほうが行動することを当たり前にできるように、バランスがとれてきたような気がします。(談)

資料:月刊こども未来


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