0〜5歳の赤ちゃんや幼児が罹りやすい、 全身の血管に炎症がおこる原因不明の病気です・ |
0〜5歳の赤ちゃんや幼児が高熱をだし、白目が充血して「ウサギの目」のように赤くなり、舌や唇も赤くなります。首のリンパ腺がはれて首を動かさなくなり、とても機嫌がわるくなります。また、体に赤いぶつぶつが出て、手や足もむくんでパンパンに腫れる(硬性浮腫=こうせいふしゅ)ことも有ります。BCGをしてからあまり時間が経ってない場合にはその跡が赤く腫れることもあります。抗生物質が効かず、なかなか熱が下がらず5日以上持続します。
別名、"急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群"ともいわれます。日本の医師川崎富作氏が、この病気の存在を1967年世界で初めて報告し、その情報を広めたので川崎病といわれます。重い合併症として、心臓に血液を送る細い血管(冠動脈といいます)に異常がきて、急性心筋梗塞で急死することがあります。治るころ(発病10日から2週間)には、指の先から、皮膚がベロっと膜のように繋がって剥けるのが特徴といわれています。
医師の立場で診ていると、1人この病気のお子さんを診察すると、また近所のお子さんが同じ病気でこられるという傾向があります。でも原因はまだ不明です。
全身の血管の炎症と、「漿膜(しょうまく)」という私達の内臓を包んでいる膜の炎症によるものが多く、胆嚢(たんのう)が腫れたり、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)、無菌性膿尿(むきんせいのうにょう=尿に白血球が沢山でる)なども伴います。
特に心臓から大動脈という体に血液を送る血管が出ていますが、この大動脈の根元から、心臓自身に血液を送る冠動脈という名前の血管が出ています。この冠動脈が炎症を起こすと血管の壁が弱くなり「冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)」を起こします。冠動脈瘤は、「冠動脈血栓症(かんどうみゃくけっせん=血管が詰る)」あるいは「冠動脈狭窄(かんどうみゃくきょうさく=血管が細くなる)」を来す原因となり、心配です。
検査では、いろいろ異常置が見られますが、血沈、CRPという炎症を表わすものが異常に高い値を示し、また血液のタンパク質が低下することもあります。
この病気と似ているものに、次のようなものがあります。
- 溶連菌感染症:
細菌感染による化膿性扁桃炎(かのうせいへんとうえん)を伴い、抗生物質が効果が有ります。また、手や足がパンパンに腫れることもありません。
- 麻疹:
目やに、激しい咳などの麻疹特有の症状は、川崎病では認められません。
- 若年性関節リウマチ:
口唇、白眼の充血、手や足がパンパンに腫れたり、舌が苺のように赤くなることはありません。
- Stevens-Johnson症候群:
症状はよく似ていますが、川崎病よりも口や目の粘膜の病変が強い。回復期により広範囲に皮膚がはがれ落ちます。
- 偽結核性エルシニア感染症:
過去に「泉熱(いずみねつ)」と呼ばれていた病気です。川崎病は、赤ちゃんがかかりやすいのですが、これは、少し年齢の高いお子さんに見られます。症状は川崎病にとても似ています。心臓(自体の筋肉に血液を送る)血管(冠動脈)の異常を伴うこともあります。山水、井戸水などの生水を飲んだというお子さんにでます。激しいお腹の痛み、腎臓の機能異常なども伴います。便からの細菌培養、血清学的鑑別を必要とする場合も少なくありません。
入院治療が必要です。アスピリン(口から飲む薬)とγ―グロブリン大量療法(時間をかけて点滴)の両方の治療法を行います。γ―グロブリンは少なめの量を5日間連続して点滴するよりも体重1キログラム当たり2グラムという量を1回で点滴した方が、優れた効果を示すとされています。この治療法により、心臓の血管の合併症を防げる可能性が高くなりました。心臓の血管の合併症がなければ、経過は比較的良好といわれます。退院後1月位は血栓を作らせない薬を飲みます。