乳児(1歳未満の赤ちゃん)の呼吸器系統(下気道)の感染症のなかでは、とても重要な病気です。
咳、鼻水などの風邪の症状が2〜3日続いた後、息を吐くときにゼーゼーしたり、呼吸速度がはやく、呼吸時に凹みができます。鎖骨の上の凹んだ所(鎖骨上窩:サコツジョウカといいます)や両方の鎖骨が交わる胸の真ん中の上の凹み(胸骨上窩:キョウコツジョウカといいます)、肋骨と肋骨の間などです。しばしば息を吐いている時間が長くなり、胸全体の広い範囲でゼーゼーが聞かれます。
1歳未満の赤ちゃんでは、体が小さいので、気道が狭くなりやすく、呼吸困難が悪化しやすくなります。細気管支といわれる気管支よりももう少し奥が、病原ウイルスにより炎症をおこし、吸った空気が出せなくなって(こういう状態を呼気性の呼吸困難といいます)肺が新しい空気と古い空気を入れ換えることができなくなったり(閉塞性肺気腫)、肺がつぶれて空気が入れない部分(無気肺)ができてしまうために、呼吸が苦しくなり体は酸素不足になります。
RSウイルスといわれるものによるものが多いのですが、細気管支といわれる部分が、炎症でむくみ、また分泌物や古い細気管支の表面の粘膜がはげ落ちて一杯になってしまいます。生まれたての赤ちゃん(新生児 シンセイジ)、とくに未熟児ではしばしば息が止まってしまう無呼吸発作を起こし、重症になります。
90%以上の乳幼児が、2歳の誕生日までにRSウイルスの感染を受けるとされていますが、RSウイルスが、細気管支炎の病因として60〜70%をしめることが明らかにされており、RSウイルス流行のみられる冬期に多く発症がみられます。またその他、パラインフルエンザ1、3型、アデノウイルスによるものもあります。
胸部X線では空気の量の増加、つまり横隔膜がしたに下がり、全体に肺気腫像があります。最近は、迅速診断キットでウイルス抗原の検出ができる様になりました。