| 1〜8歳の子どもに多く、強いかゆみを伴うウイルス性の発疹・ |
1〜8歳くらいのお子さんがかかりやすく、発熱と同時あるいは1〜2日遅れて掻痒(そうよう:かゆみ)の強い発疹(ほっしん、ポチポチ)が出現します。最初は、一見「虫刺されかな」と思えるような3ミリメートル位の大きさの「真ん中に小さな窪みのある赤い盛り上がり」がお腹や背中の柔らかい皮膚にできます。とてもかゆみが強く、また、このポチポチ、発疹にウイルスが存在するので、かくと皮膚に広がっていきます。
発病4〜5日間は、皮膚には、「虫刺され様のもの(できたて)」、「真ん中の部分に透明のお水が溜っているもの」、「真ん中の部分に濁った液が溜っているもの」「水が溜っていた部分が崩れたもの」、「崩れたところにかさぶたができてかたまったもの(できてから時間のたったもの)」など新旧、大小の発疹が混在しています。発疹ができるのは主に胸や腹や背中で、腕や脚には少ない傾向があります。また、髪の毛のある部分にもこの発疹が見られるのが、この病気の特徴です。口の粘膜に粘膜疹、アフタ性口内炎がみられることもあります。
| ・冬〜春に流行。伝染力が強く、潜伏期は2〜3週間・ |
この病気の原因は、ヘルペスウイルスに属する水痘・帯状疱疹(すいとう・たいじょうほうしん)ウイルス(VZV)です。伝染力は強く、発疹が出現する24時間前からすべての発疹がかさぶたになるまで、病気の人からウイルスが排泄されると考えられています。直接接触したり、ツバなどから、飛沫感染(ひまつかんせん)で咽喉を経て、空気の通り道から感染します。冬から春に流行することが多いといわれています。潜伏期は14〜21日です。発病した人とその前の日あるいは発疹が出始めた日に接触した場合、その後21日間は発病する可能性があります。
確定診断は、ウイルス分離、急性期血清中の特異IgM抗体(とくいアイジーエムこうたい)の検出、あるいは病初期と、治りかけの時の血清でVZV特異IgG抗体(すいとう・たいじょうほうしんウイルスとくいアイジージーこうたい)などの有意な上昇を確認することによります。
虫刺(むしさされ)
手足口病(てあしくちびょう)
単純ヘルペス感染症(Kaposi<カポジ>水痘様発疹症)
小児ストロフルス
膿皮症(のうひしょう)などがあります。
肺炎・肝炎・脳炎・急性小脳失調症(小脳炎)・腎炎・角結膜炎(かくけつまくえん 目の角膜:黒目の表面、結膜:しろめの炎症)・Reye(ライ)症候群(急性脳症 意識がなくなり、けいれんを起こしたりする)などがあります。
ステロイドホルモン、免疫抑制薬を投与中の細胞性免疫が落ちているお子さんでは、出血性水痘などで非常に重症な経過をとることがあります。溶連菌、ブドウ球菌という菌が、混合感染し、敗血症(体中の血液で菌が増える状態)の合併も稀ではありません。
大人の場合には?
成人では肺炎合併頻度が高く、重症化しやすいとされています。妊娠8〜20週の母体が感染すると、先天性水痘症候群を合併することがあります。
治療は、かゆみに対し、一つ一つの発疹の上に、石炭酸亜鉛華(せきたんさんあえんか)リニメント(通称カチリ)を「置くような感じ」で塗ったり(白い液体が下着等についてしまいますが、一時的なことなので我慢して下さい)、あるいは抗ヒスタミン薬をのみます。また、重症化を予防するためには、抗ウイルス剤アシクロビルの内服が有効です。また、白血病などの治療中のお子さんには点滴静注(てんてきじょうちゅう)を行います。発疹の部分に、ばい菌もついてしまったら、抗生物質を併用します。
解熱剤としては、アスピリンはReye(ライ)症候群との関連でさけたほうがよく、必要な場合にはアセトアミノフェンを使いましょう。免疫不全などの状態がなければ、経過は良好です。
成人ではとても重症になるので、注意が必要です。
予防については、潜伏期初期(患者さんと接触して間もないころ)では、高力価免疫(こうりきかめんえき)グロブリン製剤(ZIG<ゼットアイジー>)を投与すると有効な場合もあります。また、治療量の半量程度の抗ウイルス薬(アシクロビル)を接触後1週間後から4、5日間飲むことで発病を抑制できます。また、
弱毒水痘生ワクチンを接種して免疫をつけることも重要です。免疫の力の落ちている人では、状態の良いとき(寛解期=かんかいき 病気の症状が落ち着いているとき)に投与量を減量して接種するとよいでしょう。