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野水 眞 (みさと健和病院整形外科部長)
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| ・ひじの関節が少しだけはずれる肘内障・ |
「この子が転びそうになったので、あわてて左手を強く引っ張ったら、すごく痛がって、そのあとは全然腕を動かそうとしないんです。お気に入りのおもちゃを目の前に置いても右手を出すだけで、左手は出そうとしません。肩が抜けたのでしょうか」と言って、病院に連れて来られた子どもさんがいました。
私が、お母さんに抱っこしてもらったままの男の子を診察すると、その子は手のグーパーはできますが、ひじを自分で曲げることはできないし、バンザイもできず、腕をダランと垂らしています。このような場合、ひじの関節が少しだけはずれる「肘内障(ちゅうないしょう)」というけがです。小さいお子さんの肩の関節が抜けることはまずありません。
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| ・肘内障は整復しやすいが、くせになることも・ |
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肘内障がおきたときには、なるべく早くはずれた関節を元に戻す治療を行います。腕を少し曲げた状態で手を軽くひねってあげると「ポキッ」という音がして整復されます。その後1分もすると、バンザイもできるようになり、好きなおもちゃも痛めた手で持てるようになります。ギプスなどの固定はいっさい必要ありません。「何回か繰り返してはずれる子もいますが、ふつうは小学校に入学する頃になると自然にはずれなくなります。肘内障のためにひじの骨の発育が悪くなることはありませんが、腕を強く引っ張らないように気を付けてくださいね」とお話をして帰っていただきました。
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| ・バンザイができないときは、腕を動かさずに病院へ・ |
子どもが腕を痛がる場合、まず観察しておきたいのが、バンザイできるかどうかです。肘内障のほかにも、肩から転んだ場合におきる鎖骨骨折や、手をついて転落したときにおきる肘関節の骨折、手関節の骨折、いずれの場合にもバンザイができなくなります。
けがをしてバンザイができないときには、痛めた腕をなるべく動かさないようにして早く医療機関に受診してください。副木での固定や湿布をしたり、変形した部分を引っ張って治そうとしたりしないでください。
整復が必要な骨折や脱臼は、けがをしてからの時間が長いほど整復しにくくなるので、痛みが強いときや変形のあるときには、急いで医療機関に受診する必要があります。肘内障でも整復せずに放置したままにした場合は、将来の成長に大きな支障が出ることもあると言われています。
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資料「こども未来」
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