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子どもの食(食育) > 食育レポート(食育シンポジウム)─食で育もう 子どもたちの未来─ 心地よい食卓は万国共通(2)
食育レポート(食育シンポジウム)─食で育もう 子どもたちの未来─
特別講演
「心地よい食卓は万国共通
〜カーリーおばさんが提案する楽しい食卓」
カーリー西條氏
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●ダイニングテーブルで学ぶこと
――感謝の気持ち
うちのファミリーは日曜日になると、教会へ行った後のサンデーディナーで、最後に必ず言う言葉がありました。「お父さん、ありがとう」って。なぜ「ありがとう」か。母は言うの、「お父さんが一生懸命仕事をしてお金をつくってくれるの。お父さんのお金がないとおいしいものも食べられない。おいしいものを食べられる、あなたが暖かいベッドで寝られるのはお父さんのおかげ。お父さんに1週間に1回、ありがとう」と。だから小さいときから、「お父さん、ありがとう」。最近ボランティアという仕事を聞きますけど、自分の家の中で子どもが親に感謝する気持ちを教えないと、どうして外でボランティアの仕事ができますか。
うちの母は、年とってから父の欠点をよく話しましたよ。子どものときは父の欠点は1回も聞かなかった。周りは皆そうだった。子どもの前で父の欠点を話さなかった。だから父の椅子がある。食事が終わったら、父が「ごちそうさま(サンキュー)」。子どもたちは我慢して、食べ終わったら待っているだけ。もしお母さんだけの家庭だったら、自分から子どもに教えるのよ。子どもは感謝は言えませんよ、教えないと。知らないんだもの。
子どもはわがままだもの。自分が食べたい。3歳の子どもに「あなたの食べているものを半分ちょうだい」と言って、半分くれますか。くれるわけないでしょう。3歳の子どもはまず自分が食べるのがメイン。大切なのは、自分が食べたくないときでも、「半分ちょうだい」と言って教える、それが大人の、親の仕事です。そうして、分けるということを子どもは覚えます。世界は自分だけじゃない、そこは食生活で教えるの。子どもの心をつかむチャンスはそこだけです。
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●日本の美しい言葉
――「いただきます」「ごちそうさま」「お粗末さま」
日本の場合は便利ないい言葉があります。「いただきます」。35年前の日本は、大人は子どもに大変きつかった。子どもにお箸を持たせて、「いただきます」、終わったら「ごちそうさま」。最近の日本ではあまり聞かないですね。どうしたんでしょう、皆さん。私が日本に来た35年前、食事が終わって「ごちそうさま」と言った後に、おばあさんが必ず「お粗末さま」と言ったの。その言葉が最近ない。「ごちそうさま」、そしてつくってくれている人が「お粗末さま」。大切な言葉なのよ、皆さん。
43人の子どもの中に、16歳で家に来た男の子がいました。家に来るのがもう遅かったの。マナーも覚えていた。悪いマナーを。この世の中はすべて自分で回っている。自分の意見がすべて通る。どんなに親が「ノーノー」と言っても、最後に「しょうがない」となった。「しょうがない」って嫌な言葉ですね、皆さん。日本の親は「しょうがない」って笑ってあげる。子どもだから当たり前だと思う。自分の子どもが絶対悪いことするはずないと思っている親は大ばか。
たとえば万引きはどんな子どもも1回はやりたい。育ちが悪いからじゃないです。店に行って、必ず子どもは考える。100%。やるかやらないかは別です。自分の子どもは絶対万引きをしないと思う親は大ばかだよ。家の中でマナー、巣立ちが始まらないと、子どもは万引きもやっちゃう。すべての子どもがうそをつきます。でも自分の子どもがうそついているかついていないかわからない親がいるよ。上手な子がいるから。でも、もしかしてと思わないと。親は絶対にもしかしてと考えたくない、それが親なのよ。大切な子どもだから、もしかして何かしている、何かしたと思いたくない、思いたくないから考えない、考えないから、なかったことにする。
でも、そうなると、日本の20代の子どもの心が迷子になっています。20代の子ども、若い者は大人になりたくない。私らの世界でも、30代でまだ女の子と言っている人がいるのよ。女、男になりたくない人が今、多いのよ。なぜか。巣立っていないから。親がおっぱいから離してないから。
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●ダイニングテーブル
――それは人生の勉強の場
お勉強の場所はどこでしたか。私は裕福な家に育ったけど、大学に入るまで自分の部屋はなかったよ。それまではどこで勉強したか。ダイニングテーブルです。きょうだいみんな、ダイニングテーブルに座って毎日宿題していました。うるさいから勉強できないなんて言い訳にならない。ダイニングテーブルに座って、何か親に聞きたければ聞けるし、下のきょうだいのお勉強の手伝いもできる。だから、ダイニングテーブルは大切なところね。
昔、日本もそうだった。茶の間に小さいテーブルがあったよね。そこで勉強したのよね。だからこの国は大きくなったのよ。1人で勉強をさせていないの。どうせ1人になったら勉強なんてしていないんだから。今でも、アメリカの裕福な家でも変わらない。
お勉強する場所はどこですかといったら、ダイニングテーブル。ダイニングテーブルは一番温かいところなの。おいしいものを食べる場所、マナーを学ぶ場所、しかられる場所、お説教を聞く場所、いい思い出をつくれる場所。
これからの若いお母さんはそれに戻らないと。子どもが食べたいものを選んでばかりいると、わがままな大人が育ちます。ある意味タフラブは必要よ、皆さん。優しいだけじゃない、あえてきついときが必要。自分の子どもにマナーを教えるということは、意地悪じゃないのよ。お箸の使い方、何回も言わなくては。子どもはいつか感謝してくれる。親は一生懸命やっているんだから、愛を感じます。何でも「はい、はい」と言う親は、本当に愛しているのかなと思うよ。「はい、はい」って、怒るより楽だもの。私は若いとき、フランス料理、勉強したくなかった、テーブルマナー、フォーク並んでいてもどっちでもいいと思っていた。両親が厳しかったことに、私は大人になって感謝しているよ。
食生活はダイニングテーブルから。「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」、大切な言葉ですね。皆さん、ちょっと考えてくださいね。ありがとうございました。
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