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子育て支援の事例・活動

保育所の地域への
多様な展開事例集

保育所の地域への多様な展開事例集

第3章 地域子育て支援センター事例

新宿保育所


施設概要
  施設名: 地域子育て支援センター
(にこにこルーム)
  運営主体: 千葉市
  設置場所: 千葉県千葉市中央区 
市立新宿保育所内
  センター開設日: 平成10年6月


転用のきっかけ・経緯
 事業のきっかけは、国のエンゼルプランのなかで地域子育て支援センターの設置が示されたことによる。千葉市では5ヶ年計画にそって施策を展開しているが、平成8年度〜12年度の第6次計画でまず1ヶ所、地域子育て支援センターを開設することを掲げ、平成10年6月に新宿保育所内に開所した。利用実績を踏まえ、増設の必要があると判断し、平成13〜17年度に、市内各区に1ヶ所設置する計画を立てている。
 現在は、市内で5ヶ所の子育て支援センターがあり、うち4ヶ所が私立保育所内である。


事業内容
 地域子育て支援センターは保育所の玄関脇の1室を使っており、利用時間は平日が午前9時〜午後4時、土曜日が午前9時〜12時までである。子育て中の親子が集う場所の提供、育児不安等についての相談指導、育児サークル等の育成・支援などが中心の活動である。午前中は自由遊び、午後はおもに個別相談を受けている。
 月に1回、ニュースレターを発行しており、手遊びや歌、絵本の紹介をしたり、月々の簡単な予定をお知らせしている。利用者は、保健センターで紹介されてくる人が多い。その目的は、遊び場を求める人、子どもの友達をつくりたい人、育児不安を解消したい人などさまざまである。2年以上定期的に通い続けている人もいるし、毎日通ってくる人もいる。
 保育所に配属された職員のなかから1名、地域子育て支援センターの専任保育士を置いている。それとは別に、非常勤嘱託の職員として、保育所長または主任保育士としての経験者で定年退職者を2名が1日交代でセンターに勤務している。平成11年度までは、専任保育士と非常勤嘱託の2名体制であったが、利用者が40組近くなる時も出てきたため、平成12度より午前中の3時間だけパートを1名配置することになった。


関係機関との連携・調整
(1) 子育て支援担当者連絡会
   保健所が主催して年に1回開催しており、子育て一般の情報交換をしている。児童相談所、療育センター、各区の福祉事務所、各区の保健センター、市立病院の新生児課、小児科、保育所保育課などが連絡会のメンバーとなっている。
 子育て支援担当者連絡会のなかに地域子育て支援センターも入っており、利用者への情報提供に役立てている。
(2) 地域子育て支援ネットワーク会議
   児童相談所の心理判定員、療育センターの相談員、各区の福祉事務所の家庭児童相談員、各区の保健センターの主任保健師、市子育て支援課、市保育課等の行政担当者、地域子育て支援センターのセンター長や相談者によって、年に1回開催している。メンバーとしては、子育て支援担当者連絡会と重複しているが、こちらは保育に関するケース検討が中心である。その他に、随時調整会議も行う。
 さらに、地域子育て支援センターが5ヶ所に増えたので、地域子育て支援センター同士の連絡会も開催している。
 連絡会等のメンバーが地域子育て支援センターを紹介することによって利用者が参加する場合もあるし、地域子育て支援センターから他の専門機関につなぐ場合もあるなど、自然な関係ができている。
 


事業実施の工夫
 地域子育て支援センターの専任保育士は、1年ごとに配属替えをしている。地域子育て支援センターの事業と保育所の事業のどちらも理解することができ、センターと保育所の連携がしやすい体制になるためである。
 目に見えるようなことについては相談しやすいが、そうでないことについては、やはり打ち明けるのに時間がかかる。実家の親に相談するような気持ちで気軽に話せるよう、経験豊かな人材をスタッフとして配置している。


事業の効果
 保育所内に設置した地域子育て支援センターの最大のメリットは、人的資源の豊富さである。専任の保育士や嘱託職員以外にも、栄養士や看護師などがいるので、専門的な相談にも対応ができる。
 地域子育て支援センターを利用している保護者にとっては、センターの利用者同士だけではなく、保育所の入所児の様子や、保育している保育士の対応の仕方を見ながら、「他の子もそうなんだ」と安心したり、「あんなふうに手を貸せばいいんだ」と参考にできる点がメリットである。特に相談という場面設定でなくとも、無言で学ぶ場がある。
 保育所の保育士にとっても、入所者以外の外部の人の目があることによって、常に緊張感をもって、子ども達とかかわることができている。



問題点・課題
 家にこもってしまっている人、外に出てこない人への対応については、保健センターの保健師が地域をまわって対応している。地域子育て支援センターのあり方としては、無理強いや追跡はせず、いつでも受け入れられる体制をとっておくことが重要である。
 地域に開かれた保育所、いつでも誰でも受け入れる地域子育て支援センターを実践するなかで、危険人物が突然侵入してこないかという懸念はいつも感じている。だからといって門を閉ざすのではなく、そういう事態が発生した際に、迅速に適切に対処できるよう、職員同士で話し合っている。
 地域子育て支援センターは、利用者が歩いて通えるような場所に、きめ細く設置していくことが必要である。


地域子育て支援センターの様子
地域子育て支援センターの様子

 

平面図 1階

平面図
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