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子育て支援の事例・活動

保育所の地域への
多様な展開事例集

保育所の地域への多様な展開事例集

第2章 公立保育所の民営化の事例

池田市
事業のきっかけ・経緯
 これまで池田市には公立保育所が10箇所、民間の保育所が3箇所あった。公立保育所の高コスト構造の見直しを通じ、公・私保育所の適正なバランスや特色の発揮、役割分担の明確化と連携により池田市の保育水準のレベルアップをはかるために、公立保育所のうち利便性に優れていて利用者の数も安定していた3箇所の保育所を廃止し、貸与方式により民営保育所とすることとした。

年度別公私保育所別運営経費 (児童1人年額比較)
 
公立保育所
私立保育所
平成12年度
1,700千円
388千円
平成13年度
1,765千円
448千円
平成14年度
1,496千円
478千円

 保育所運営者の募集にあたって市からの条件は、 (1) 市内の社会福祉法人、学校法人で、10年以上の実績があること、 (2) 過去3年間以上赤字を出していない、の2点とした。
 実際の法人選定にあたっては「保育所運営者選考委員会」を設置し議論を深めた。委員会は学識経験者 (4名) 、関係市民代表 (2名) 、会計専門家 (1名) 、関係行政機関 (1名) で構成した。
 選考の基準は、
(1) 経営者及び施設長の熱意、見識
(2) 保育目標及び保育内容に関する事項として、年間保育計画、特別保育への取り組み、障害児保育への取り組み、アレルギー等の除去食への取り組み、家庭との連携・コミュニケーション
(3) 資金計画及び経理状況
(4) 児童育成計画「いけだ子ども未来夢プラン」への理解と協力、地域活動への取り組み
の4点とした。

事業に至る手続き・調整
◇職員体制の調整
 廃止した公立保育所の正規職員は、他の公立保育所や新たに設置した地域子育て支援センターに異動した。また、民営化ですべての保育士が代わってしまうことへの保護者の不安の声があったことから、廃止した公立保育所および他の公立保育所のパート保育士等を、法人で正規職員として数人採用した。
 なお、公立から民営化への引継期間として、開所前1ヶ月間を設け、月の前半は公立主体、後半は民間主体で子どもたちとの関わりを大切にし、スムーズな移行ができるように努めた。なお、この期間の追加的な人件費 (各園100万円) は市で負担した。


◇保育所保護者との調整
 保護者に対する民営化の説明は、議会で条例を可決したあとに開催した。保護者側に当初当惑があったが、民営化の説明とあわせて、保育の質を落とさないことや、新たな保護者負担をかけないことの2つの説明をした。

◇その他の調整
 建物と土地は、府を通じて厚生労働省から財産処分の承認を受けて (処分制限期間内であったが無償貸与だったので国庫補助返還はなかった) 、行政財産を普通財産に切り換えて、法人に10年の契約期間で無償貸与している。おもちゃや備品は譲与した。


対象保育所
施設名 開所年月日 面積 (u) 建物構造
中央保育所 S41.4
敷地
919
延床
742
屋外場
276
RC2階建て
天神保育所 S56.4
敷地
1,842
延床
838
屋外場
553
RC2階建て
秦野保育所 S52.4
敷地
1,768
延床
862
屋外場
398
RC2階建て


市立中央・天神保育所の民営化に関する経緯・概略
年月日
市施策
市議会・審議会等
市職員組合
保護者・市民等/広報・報道関係等
平成11年
5月31日
『「みなおし'97」平成10年度最終報告』を取りまとめ〔保育所の統廃合、多面的な保育所機能の検討〕      
平成12年
3月31日
池田市公共施設再評価委員会が中間報告を提出〔統廃合、民営化への移行、保育士の配置基準の見直し〕      
平成12年
7月18日
    保育諸問題労使委員会  
平成12年
7月26日
  総合福祉施策推進審議会 (公立保育所民営化について)    
平成12年
8月24日
    市最終案提示

 
平成12年
8月25日
    組合最終案受諾  
平成12年8月30日 『「新行革大綱」〜池田市の再生と飛躍を期して〜』を策定〔中央・天神保育所民営化、他今後民営化及び統廃合、保育士の配置基準の見直し〕      
平成12年
9月4日
      市立保育所の一部民営化記者発表
平成12年
9月7日
  9月議会議案提出〔保育所条例の一部改正 (中央・天保育民営化) 〕    
平成12年9月13日   厚生委員会〔保育所条例の一部改正 (中央・天保育所民営化) 〕可決    
平成12年
10月1日
      市広報に「中央・天神保育所運営者募集掲載」
平成12年
10月5日
      中央保育所保護者説明会
平成12年
10月6日
      天神保育所保護者説明会
平成12年
10月10日
      保育所運営応募者説明会
平成12年
10月20日
  「池田市立保育所の一部民営化に係る保育所運営者選考委員会設置要綱」制定    
平成12年
10月31日
  第1回 保育所運営者選考委員会開催    
平成12年
11月13日
  第2回 保育所運営者選考委員会開催予定 (運営予定者ヒヤリング実施)    
平成12年
11月20日
  第3回 保育所運営者選考委員会開催[運営者決定]    
平成12年
11月21日
  市議会議長報告・運営者へ決定通知    


事業費
 中央・天神については市の単費財源で、内装・修繕費として各400万円で実施。さらに最初の3年間に限り運営の安定化を図るために年額360万円の補助を行った。
 秦野についても、最初の3年間に限り運営の安定化を図るために年間360万円の補助を行った。
保育士の配置基準の見直し
 平成13年4月の中央・天神両保育所の民営化実施に合わせ、公私間格差是正の観点から、公立保育所における保育士の配置基準の見直しを実施した。これにより年間約2,300万円の財政上の効果があった。

児童数に対する保育士配置数 (平成13年4月1日)
 
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
国の基準
(池田市の民間)
3:1


6:1
6:1
20:1
30:1
30:1
池田市公立
(改定前)
国基準
3:1
5:1
12:1
20:1
20:1
池田市公立
(改定後)
国基準
4:1
国基準
国基準
国基準
国基準
 この他、公立保育所には、フリー保育士が各所に1名配置 (定員80名以上の場合は2名)

民営化の効果
 民営化した保育所においては、これまで11時間であった開所時間を12時間とするなど、多様な保育需要への対応を図っている。また、今般の民営化を契機に既存の公立保育所においても多様な保育需要への対応の機運が高まり、13年4月から全公立保育所において延長保育や生後57日目からの産休明け保育を実施している。
 なお、公立保育所の廃止に伴う財源は、ファミリー・サポート・センター事業や子育て支援センター事業等の立ち上げに活用している。
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