トップ > 子育て支援の事例・活動 > 保育所の地域への多様な展開事例集 高石市

子育て支援の事例・活動

保育所の地域への
多様な展開事例集

保育所の地域への多様な展開事例集

第2章 公立保育所の民営化の事例

高石市
高石市における保育サービスの供給増の必要性
(1) 保育サービスに対する需要の増加
   近年の景気悪化、女性が職業を持つことに対する意識の変化、育児に係る外部サービス利用に対する意識の変化等により、高石市においても女性の就業者が増加している。このようなことを背景に、保育サービスに対する供給拡大、延長保育休日保育産休明け保育、病後児保育、一時保育、地域子育て支援センター事業、ファミリーサポートセンター事業、障害児に対する保育等の整備・拡充などの施策が求められている。
(2) 保育所基盤整備の遅れ
    就学前児童数と保育所の利用状況 (単位:人、率は%)
     
 
就学前
児童数
保育所
利用数
利用割合
高石市
全国
平成13年
4,343
846
19.5
25.7
平成14年
4,345
904
20.8
26.6
(3) 待機児童の増加
    平成12年度月別待機児童数
     
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
合計
4月
0人
0人
0人
0人
0人
0人
0人
10月
3人
6人
9人
0人
0人
0人
18人
    平成13年度月別待機児童数
     
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
合計
4月
1人
2人
7人
0人
2人
0人
12人
10月
19人
11人
15人
1人
2人
0人
48人
    平成14年度月別待機児童数
     
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
合計
4月
0人
0人
0人
0人
0人
0人
0人
10月
9人
9人
5人
2人
0人
0人
25人


保育サービス供給増に当たっての制約条件
  ◇税収の状況
 平成8年度決算の市税収入153億円が、平成12年度決算では133億円、平成13年度決算では127億円、平成14年度決算では120億円と年々落ち込んでいる。

  ◇公立保育所と民間保育所の保育コスト比較
 公立保育所の1歳児の職員配置基準は、国基準 (高石市内民間保育所の職員配置基準は国基準を採用) である6:1を大幅に上回る、4:1の職員配置としていた。このような配置数の格差とともに、年齢構成の格差もあることから、公立と民間では約2倍のコスト格差があった。

高石市の公民のコスト比較推計
 
公立
民間
平成12年度保育所運営経費
(児童1人当たり)
2,006千円
1,246千円

児童数に対する保育士配置数 (平成13年4月1日)
 
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
国の基準
(高石市の民間)
3:1 6:1 6:1 20:1 30:1 30:1
高石市公立 国基準 4:1 国基準 18:1 28:1 28:1



民営化の経過
 公立保育所の廃止に際しては、以下の通り条例を改正し、保護者、職員組合に説明し、理解を得るように努めた。また、民営化に当たり移管先となる事業者の選定に当たっても外部の者を含む法人選定委員会を設置し、公平・透明な手続きをとった。
  ◇議会手続きについて
平成13年6月5日 高石市立保育所設置条例の一部改正議案を市議会へ提出
同年6月13日 同議案を市議会建設厚生委員会で審査
同年6月15日 同議案が市議会本会議で可決

  ◇保護者への説明について
 平成12年9月3日に保育所民営化の導入についての考え方について保護者説明を行い、また保育所は利用する保護者のみならず、待機する保護者も含め広く市民のものであることから、9月から12月にかけて毎月の市広報により周知を図った。


  ◇職員組合への説明について
 公立保育所の保育士で組織する市職員労働組合に対し、保育所の民営化の導入についての考え方や、民営化対象が東羽衣保育所に決定した経過を平成12年8月31日から5回説明し、理解を求めた。

  ◇法人選定委員会の具体的活動
 保育所の民営化に当たり、移管する市立保育所及び移管先となる事業者の選考について広く意見を聴くため、児童福祉及び社会福祉の分野における専門知識又は経験を有する者3名、公共的団体代表者3名の計6名からなる選考委員会を平成13年2月に設置し、選考委員会は、9月までの間、計5回開催した。

保育所民営化の経過
平成12年8月 高石市行財政改革実施計画を策定し、「民間活力導入」について決定 (保育所・幼稚園・学校給食などについて含む)
平成12年9月3日 保育所民営化について保護者説明
平成12年9月〜12月 市広報に掲載 (市行財政改革、保育所、幼稚園などの民間活力導入について)
平成12年10月11日 父母の会役員との話し合い
平成12年11月11日 市長と父母の会役員との話し合い
平成12年11月25日 父母の会民営化反対アピール行動
平成12年12月11日 職員組合との話し合い
平成13年2月6日 第1回選考委員会
平成13年4月13日 第2回選考委員会
平成13年5月8日 父母の会役員との話し合い
平成13年6月4日 父母の会との話し合い
平成13年6月5日 高石市立保育所設置条例の一部改正 
市議会に提出
平成13年6月15日 高石市立保育所設置条例の一部改正 
市議会で可決
平成13年6月20日 当該保育所保護者会役員への説明
平成13年6月26日 当該保育所職員説明会
平成13年6月27日 職員組合との話し合い
平成13年6月28日   第3回選考委員会
平成13年7月4日   当該保育所保護者会役員への説明会
平成13年7月17日   当該保育所保護者会役員への説明会
平成13年7月23日   当該保育所保護者会役員への説明会
平成13年7月30日   当該保育所保護者会役員への説明会
平成13年8月15日
〜 8月27日
事業者の公募
平成13年8月18日   選考委員長と保護者会代表との懇談会
平成13年8月30日   職員組合との話し合い
平成13年9月10日   第4回選考委員会
平成13年9月15日   第5回選考委員会
平成13年9月25日   事業者の決定
平成13年9月20日   高石市立保育所廃止処分取消等請求訴訟が提起
平成13年10月22日   行政処分の執行停止申立訴訟が提起
平成13年10〜11月   事業者の当該保護者への説明会
平成13年12月   保育所入所変更申込書の提出
平成14年1月18日   事業者の当該保護者への説明会
平成14年3月29日   行政処分執行停止申立事件 大阪地方裁判所より却下決定
平成14年4月1日   社会福祉法人による事業運営開始
平成16年5月12日   大阪地方裁判所による市側勝訴判決


民間移管前後の状況
(1) 保育の水準の維持について
   平成13年11月から移管先の事業者の保育士が当該保育所に来て引継ぎを受けている。
平成14年1月からは、次年度のクラス担任を予定されている保育士がそのクラスに入り、子どもの個性や特徴、また、一日の生活の流れを把握するとともに、2月、3月にはさらに回数を増やし、十分な引継ぎを行った。
 さらに、移管後、保育水準が維持され、保育の質が担保されていることを判断するため、第三者評価システムについても活用する予定である。
(2) 待機児童の解消と延長保育について
   民間移管によって、東羽衣保育所の定員数が120名から140名に増加し、市内全体で930名から950名の増加がされた。また、これまで、保育時間が午前7時から午後7時であったところ、延長保育の実施を開始し、午後9時までの延長保育が可能となった。
BackNext