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子育て支援の事例・活動

保育所の地域への
多様な展開事例集

保育所の地域への多様な展開事例集

第1章 既存施設の転用事例

たいなか保育園分園


保育所施設概要
  保育所名: たいなか保育園分園 いちごみるく
  運営主体: 社会福祉法人恵邑会
  活用場所: 中心商店街にあるテナントビル 3階部分
  開設日 : 平成15年3月
  定員数 : 0〜1歳 29名
その他、一時保育、時間預かりなどを実施

分園のあるテナントビルの外観
保育室
分園のあるテナントビルの外観 保育室


転用のきっかけ・経緯
  ◇転用の考え方
 八戸市では、平成12年策定の「中心市街地活性化基本計画」に基づき、商店街の活性化に取り組んできたが、効果が上がらなかった。
 このような時に、たいなか保育園では、母乳で子どもを育てることを推奨しており、商店街の中に保育所があれば、商店街に勤める母親が職場の休み時間などに母乳を与えることも可能であると考えていた。あわせて、商店街にこそ保育所が必要ではないかという思いから、商店街等の関係者に社会福祉法人が独自に聞き取りをしながら、立地場所探しなど少しずつ計画を進めていた。
 八戸市としても空き店舗を利用した保育所が開設されれば、この様な公的施設を核に新たな賑わいが創出され、商店街の活性化が図られ、また待機児童の解消や子育て支援の推進に役立つことから、中小企業庁による厚生労働省とのタイアップ事業である「コミュニティ施設活用商店街活性化事業」を利用した保育所開設を計画した。
  ◇転用候補地の選定
 立地を検討するにあたっては、200u以上の広さがあり、オーナーの理解が得られ賃料が低く抑えられるところを探した。立地場所 (なるべく付近に高金利貸し金融店舗や飲酒店などがないこと) にも配慮した。

転用に至る調整・手続き
  ◇商店街との調整
 地元商店会に対し、市が事業の概要説明を行うとともに、協力依頼をした。社会福祉法人において、すでに地元商店会やビルの所有者と商店街の活性化について、話し合いをしてきており、その中で今回の事業の計画が立案された経緯があるため、調整は困難ではなかった。
 地元商店会と、来園者の駐車場の確保や商店従業員への案内、防災等に関して取り決めなどがなされている。
  ◇運営主体との調整
 分園では本園と違い、年中無休かつ長時間の開所としているが、職員の勤務は週休2日及び一日8時間勤務とし、2年から3年のローテーションで本園に異動するなどの方法をとっている。

設計計画上の工夫
 繁華街のビルの3階に設置するため、平成15年1月から防火・防災基準に係る児童福祉施設最低基準の一部が緩和されたが、火災や地震などには万全を配し、乳幼児の安全確保を第一に考えた。そのため、消防や市の開発指導課 (建築審査) と協議を重ねて、室外の避難階段やゴンドラを設置し、室内においても2方向の避難路を確保した。
 緊急通報システムを設置し消防や警察との連携の強化を図り、万が一の事故等に配慮した。
 ウッドデッキを整備したのは、地域のコミュニティサロンスペースとして活用したいという考え方からである。将来的には、中学生・高校生のボランティア受け入れなどの居場所づくりの役目も果たしたいと考えている。

ウッドデッキスペース
ウッドデッキスペース

運営管理上の工夫

 地元商店会やビルに入居している会社に協力を求め、災害救助のための消防組織を作り、地域と共同して避難、消火訓練を行い入所児童の安全を最優先とすることを取り決めた。
 将来的には、保育のほか、乳幼児を持つ母親同士の悩み等を自主的に話し合う場や、育児休業のあり方や社会保障給付の制度の勉強会などの場も提供していきたいと考えている。商店街での買物、パソコンスクール、語学教室を利用する際には、分園において一時預かりを行っており、今後とも商店会等から愛される施設を目指したい。また、商店会の一員として、分園も商店会の行事やイベントに積極的に参加し、また分園の行事等に商店主や従業員を招待し、分園のPRを兼ねながら地域交流にも努めるようにしたい。


転用の効果
 商店街で働く保護者にとっては、送迎時間の短縮、入所児童の急な発熱や事故等への素早い対応ができ、入所児童に昼休み時間などを利用してスキンシップを図り、母乳も与えることができ、家庭にいる時と同様の子育てが可能になると考えられる。


今後の課題
 商店街のビル等を借りる場合、賃借料等も高く、こうした諸条件をクリアする必要がある。


いちごみるく
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