- 先駆的な取り組みの概要
一ノ宮児童館では小学生のころから遊び場として利用する子どもが多く、最近は乳幼児の親子の利用が増えていることもあり、さまざまな世代での交流が可能になってきました。その中で、中学校の開校記念日を利用して、中学生と幼児が一緒に遊ぶ機会を提供しています。赤ちゃんのだっこからミルクの授乳まで体験した子どもたちは、こわごわながらもふれあいの機会を得て目を輝かせています。同児童館ではホールや図書室を特別な行事以外は利用者全員に開放しているため、乳幼児の親子が遊んでいる近くで小学生が本を読んだりゲームをしている光景も見られます。
同児童館で力を注いでいるもう一つの事業は、「コロッケ大作戦」と「たくあん大作戦」です。どちらも地域住民の協力を得て、子どもたちがじゃがいもや大根を栽培するところから挑戦し、収穫、そしてコロッケ作り、たくあん作りまで体験し、試食をします。この「大作戦」では食べものを育てることの難しさと楽しさを実体験で学ぶとともに、地域の人びととの世代間交流が実現しています。
- きっかけとなったこと
- 中学生と幼児のふれあい体験は、少子化の中、思春期に家庭・地域内で年齢の離れた子どもと接する機会が少なくなっていることから、その機会を提供しようというものです。子どもたちに命の大切さや思いやりの気持ちを醸成し、また、赤ちゃんを介して、大人と子どもが顔見知りの関係になっていくことも期待されています。
「コロッケ大作戦」と「たくあん大作戦」は、自然体験が少なくなってきた子どもたちに土いじりや体を動かすことの楽しさを体験させたいという思いと、敷地内に農地が確保でき、協力してくださる住民がいる地域ならではの発想でした。
作物の栽培は退職した住民に「畑の先生」になってもらい、コロッケ作りは保護者が手伝い、たくあん作りは母親たちのネットワークから地元の女性陣に協力してもらっています。こうした事業を通じて、課題の一つであった自然体験と世代間交流、地域連携事業の突破口が開かれました。
- 工夫点、気を付けていること
- 児童館はいつでも誰でも立ち寄れる場所としてオープンにし、特に子どもたちには大きな声であいさつすることを呼び掛けています。子どもたちのあいさつがきっかけとなって、乳幼児を連れて来る母親たちも子どもに声を掛けたり、見守るまなざしが増えてきました。
「コロッケ大作戦」や「たくあん大作戦」では、先生となる住民へのお礼の気持ちを率先して伝え、また名前を子どもたちや保護者にも覚えてもらい、館外で会ったときもあいさつするように呼び掛けています。協力している方たちの中からは、「役に立ててうれしい」「楽しみが増えた」といった反響も寄せられ、地域ぐるみの子育て支援、子どもの安全を守る空気の醸成にも期待がかけられています。
- 周知方法
- 児童館全体の『おたより』のほか、対象者ごとの『おたより』を作成し、健康センター、子育て広場、小・中学校などに配布。共通事業は児童青少年課で作成し、関係機関および市のホームページに掲載。
- 職員の話
「一ノ宮児童館は、乳幼児や児童、その保護者にとどまらず、これまで関係の薄かった中高生からプレママまでが来館いただける場≠ニなるため、さまざまな取り組みを進めてきました。
幸い、幅広い年齢層の市民に利用いただける場≠ニなりましたが、こうした取り組みの中で気付いたことは、一人一人のニーズや悩みに対し、一つ一つ丁寧に対応させていただくことが、何よりも大切であるということです。
また、必要に応じて、さまざまな関係機関と連携していくフットワークも大事にしていきたいと思っています。
子どもたちにとって児童館は、家庭とも学校とも異なる環境の中で、もう一人の自分を出せる場です。これからもそのことを大切にして、子どもたちの味方になっていきたいと思います」
- 利用者の声
- 「引っ越してきて出産し、家に閉じこもってばかりいましたが、ここだとホールで昼食もとれるので、ときどき遊びに来ています。ここに来ると子育て情報が手に入りますし、大人の人とも話せます。たくさんのお母さんたちに会えるので、『一人じゃない』と思えるようになりました。小学生のお姉ちゃんにあやされて、子どももご機嫌です」
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