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障害児保育実施事例集

障害児保育実施事例集

 さいたま市は、平成13年に浦和・大宮・与野の3市が合併して誕生し、平成17年には岩槻市が加わりました。保育園でも、旧4市の保育士が一緒に働く環境になり、現場レベルでもそれぞれの旧市で培ったノウハウや特徴を持ち寄り、保育に生かしています。植水保育園の方針は、「心身ともに健やかな子どもにと願い、一人一人の個性を大切にして、楽しく伸び伸びと過ごせる場にする」ことです。
さいたま市立植水保育園
(埼玉県さいたま市)
概要
さいたま市立植水保育園(埼玉県さいたま市)
所在地 埼玉県さいたま市西区佐知川306
電話番号 048-623-6698
開所時間 7:30〜19:30(早朝・延長保育含)
入所定員数 100人
職員体制 21人(臨時職員・パート・調理師含)
平成19年3月現在


保育園の特徴
登園。駐車場と保育園の間だけお母さんにだっこ。 さいたま市の北西部に位置する西区は、人口約8万3000人。交通網が発達しているとともに、荒川、鴨川が区内を流れ、水辺や雑木林など自然にも恵まれたところです。
 植水保育園は住宅地の一角にあり、福祉作業所(成人障害者が働く施設)が隣接。作業所のクリスマス会に園児が招かれ、歌やお遊戯を披露するなどの交流があります。また、散歩に行くとき作業所の裏を通ることからあいさつを交わす機会も多く、園児たちは障害を持つ人の存在を自然に認識する環境にあるようです。
 平成19年3月現在、園は3人の障害児を受け入れています。幅広い年齢層で経験豊富な保育士が保育に当たっています。

受け入れの取り組み
 入園希望に伴い、体験保育・入所会議を経て保育園の受け入れが決定します。園では障害児制度で入所してきたお子さんへの援助に目を配りながら丁寧なかかわりをし、適切な発達経験を促していきます。
 園長をはじめ保育士全員が通常の保育の中で、保育の視点や見通しを立てるなど、受け持ちの保育士をサポートしていく巡回保育相談を実施しています。
かばんをロッカーに入れたら、さっそく外でお友だちとお遊び。 着替えは先生に手伝ってもらうことも。 リズム遊び。「金太郎」役のお友だちを乗せる「熊」役のCちゃん。
Cちゃんのケース
 Cちゃんは、脊髄硬膜外血腫の後遺症により歩行と排尿を自力で行うことが困難な状態です。ただ、それ以外は心身ともに健康なことから、療育相談で普通の幼稚園か保育園を勧められ、親御さんもそのほうがいいと私立の幼稚園をあたりました。しかし、どの幼稚園からも預かるのは難しいと断られ、1年間、肢体不自由児通園施設に通いながら受け入れ先を探したそうです。市の障害児保育制度を使い、送り迎えがしやすいことから植水保育園を希望。体験保育、入所会議を経て入園の許可が下りました。

保育園でのケア・工夫
Cちゃん用のいすのクッションと踏み台は、お母さんと先生方の手作り。 Cちゃんの入園が決定すると、鈴木斡子あつこ園長は体験保育の様子を踏まえて「歩行器でも移動可能なスロープの設置」「職員トイレ内で排尿処理が行えるよう子ども用便座の購入」など、いくつかの希望を出し、市もそれを受諾。スロープがついたことで、Cちゃんは歩行器で園の室内外を自由に動き回れるようになりました。
 一方、園長は、Cちゃんの発達と育ちを考えて、西山智子先生と`島はいしま美里先生を担任とし、受け入れていきました。
園児用のトイレ。手すりはCちゃんのおじいさんが付けてくれました。  足腰に負担が掛からないようにいすにクッションや踏み台を作る、園児用のトイレに手すりを付けるといった細かいフォローは、お母さんと園長、クラス担当の保育士が話し合いながら、そのつど加えていったといいます。
 ただ、導尿(尿道口からカテーテルを、ぼうこうに入れて尿を排出させること)は医療行為に当たるため、医師か看護師の資格、あるいは身内の人でないと行うことができません。そのため、お母さんは送り迎えのほかに昼に一度、導尿のために来園します。障害の症状によって、Cちゃんのようなケースがほかにも出てくることを考えると、看護師や保健師の保育園配置は、今後、障害児保育の中でも要検討となりうる課題の一つといえそうです。

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